prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「名もなく貧しく美しく」

2006年09月10日 | 映画
聾唖者の夫婦の物語で1961年の作品だから、今見ると放送禁止用語が乱れ飛んでいてちょっとぎょっとする。「つんぼ」「おし」「かたわ」って、平気で使われてますからね。
手話にいちいち字幕がつくのだが、そのうち二人の手だけのアップになって、互いに手をとりあう、という演出がいい。
撮影・玉井正夫、美術・中古智という成瀬巳喜男作品、あるいは「ゴジラ」のスタッフの技術が見事。
しかし、昔の日本映画は、ビンボったらしい生活の描写がうまいねえ。これでもか、これでもかという感じで不幸が襲ってきても、後年と違ってサマになる。


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