prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「グエムル -漢江の怪物-」

2006年09月30日 | 映画
オープニングでスコット・ウィルソンが出てきたのにびっくり。日本映画「プライド」で東京裁判のキーナン検事役で出ていたけれど、ここでは高圧的にホルマリンを捨てるのを命令する米軍の医師役。
ホルマリンなんてなんでそんなにやたらたくさんあるんだ、というと、死体保存用ではないかと思え、朝鮮戦争あたりで米軍兵士に使われていたイメージ(最近は使われなくてホコリをかぶっていても)なのかもしれない。

全体にやたら在韓米軍にあてつけがましい(だから韓国本国で当たったのか?)。
あれだけ人が大勢いるところに怪物が出てきて、警察も軍隊も出動しないのだものね。正直、展開としてはひどく嘘くさくて白けた。
一方で、日本の怪獣映画ではほとんど必ず自衛隊が出動するのに、平成ガメラ三部作ですら在日米軍が出てこない、というのに気づいて不思議な気がした。

ウィルスがどうのこうのって、怪物と関係ないじゃない。これまた米軍の陰謀に絡めたいらしいのだけれど、ホルマリンが怪物の原因になったってこと描写としてきちっと押さえていないから、ストーリーを脱線させてるだけ。

変に社会派ぶってないで、怪物倒すの先に考えてよ。後半日本でいうなら団塊という感じで昔は反体制運動をしていたのだ、という連中(かなり若い)が出てきて倒そうとするまで主人公一家以外、誰もろくに倒そうとしないのは不自然すぎるし、第一映画の展開にならない。

何より、肝心のモンスターがグロいだけでキャラクターらしいキャラクターがないのが致命的。CG技術だけじゃ、生きてはこないのです。
(☆☆★★★)