prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「チャップリン 世紀を超える」

2006年11月14日 | 映画
NHKプレミアム10にて。ハイビジョンと衛星では放映済み。
新資料続出。

初期チャップリン作で撮影されながら使用されなかったテイクが大量に発見され、何度も実際にテイクを重ねながら場合によっては「霊泉」のように全体のストーリーすら変えてしまっていたこと。

「独裁者」の最初構想されていたラストが、独裁者配下の軍隊が武器を捨てて踊り出す、というもので、兄シドニー・チャップリンがプライベートに撮影したフィルム(カラー!)でその光景が見られる。ちらっと「ブリキの太鼓」を思わせ、また中国で日本軍が爆弾の代わりにおもちゃを降らせ、世界中ですべての人が武器を捨てるという黒澤明の「夢」でシナリオにはあったが完成作からは外された「素晴らしい夢」をも思わせる。

最後に書かれたシナリオが、「Freak」という翼がある少女(人間なのか、天使なのかわからない)が人々に恐れられて追われる物語だったというのも初公開。
少女のイラストはちらっと手塚治虫を思わせた。


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