森田芳光の遺作になってしまった映画だが、遺作という言葉が持つ物々しさがまるでないのが、いかにもこの監督らしい。
松山ケンイチと瑛太の衣装が似たようなセーターの青と赤だったり、すみずみまでデザインする徹底ぶりは健在。
列車の席に二人が向かい合わせになっていて、しかし片方がイヤホンで音楽を聴いていて正面きったやりとりにならないあたり、「家族ゲーム」の最後の晩餐テーブルで見せた人間の位置関係とコミュニケーションのずれのバリエーション。
あまり濃厚な人間関係にはならないけれど、だからといってディスコミュニケーションというわけではない微妙な手触りは、やはりこの監督独特のもの。
ピエール瀧扮する図体のでっかいおっさんが何者なのか順々にわからせていくとともに(初登場で自己紹介させたりしない)、仕事がいつのまにかうまくつながっていくあたり、昔のサラリーマン喜劇的な展開をきちんと踏襲している。趣味ばかりの話ではないのですね。
北海道を舞台にすることが多かったけれど、今回は福岡と東京を行き来する。
新幹線は出てきても、売り出したいところであろう九州新幹線は出てこないのが微妙なずらし方。
買ったはいいが売りようがなくなった不良物権の実写の荒廃ぶりはかなりひどい。
さまざまな帯の結び方のモデルやクリムト風の内装のあるクラブにびっくり。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
僕達急行 A列車で行こう - goo 映画
松山ケンイチと瑛太の衣装が似たようなセーターの青と赤だったり、すみずみまでデザインする徹底ぶりは健在。
列車の席に二人が向かい合わせになっていて、しかし片方がイヤホンで音楽を聴いていて正面きったやりとりにならないあたり、「家族ゲーム」の最後の晩餐テーブルで見せた人間の位置関係とコミュニケーションのずれのバリエーション。
あまり濃厚な人間関係にはならないけれど、だからといってディスコミュニケーションというわけではない微妙な手触りは、やはりこの監督独特のもの。
ピエール瀧扮する図体のでっかいおっさんが何者なのか順々にわからせていくとともに(初登場で自己紹介させたりしない)、仕事がいつのまにかうまくつながっていくあたり、昔のサラリーマン喜劇的な展開をきちんと踏襲している。趣味ばかりの話ではないのですね。
北海道を舞台にすることが多かったけれど、今回は福岡と東京を行き来する。
新幹線は出てきても、売り出したいところであろう九州新幹線は出てこないのが微妙なずらし方。
買ったはいいが売りようがなくなった不良物権の実写の荒廃ぶりはかなりひどい。
さまざまな帯の結び方のモデルやクリムト風の内装のあるクラブにびっくり。
(☆☆☆★★)
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僕達急行 A列車で行こう [DVD] | |
主演 松山ケンイチ 瑛太 監督 森田芳光 | |
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