デップのメイクの具合などからもっとコメディ調かと思ったらかなり血なまぐさいゴチック調のタッチが入ってました。
あれだけ人を殺しておいて、恋人だけは救って一緒になってめでたしというのはひっかからないでもない。
元のテレビシリーズはまったく知らないし、その映画版「血の唇」もタイトルを聞いたことがある程度。しかし見るのに支障はまったくありません。
200年姿かたちを変えて生き続けた魔女の肖像画が壁に時代順に並んでいるところがあるが、二番目に新しい画がなんだかキュービズム調というか20世紀初頭風に(つまり変な具合に)描かれているのが可笑しい。
「バットマン」で美術館に押し入ったジョーカーが次々と絵を汚していく手下たちに「待て、こいつは気に入った」と無傷で残すのがフランシス・ベーコンだったわけだが、さすがにティム・バートンは自分が絵描きということもあって画の趣味にはこだわりがあるみたい。
クリストファー・リーの特別出演は嬉しい。御歳90歳。
リメークの「エルム街の悪夢」でフレディを演じたジャッキー・アール・ヘイリーは意外と見せ場なし。
血を入れ替えるおなじみみたいなシーンをひとひねりして使っている。
(☆☆☆★)