prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ボディ・バンク」

2012年06月19日 | 映画
謎の施設から逃げてきた男がヒュー・グラント扮する医師が勤めるERに担ぎこまれて原因不明の死を遂げた後に忽然と遺体が姿を消し、不審に思ったグラントが調べるうちにジーン・ハックマン率いる施設の研究内容に行き当たる。

ハックマンが行っていたのは損傷した神経を復活させる研究で、半身不随に陥っていた患者を治すためにはやむをえない犠牲だという理屈が、マッド・サイエンティスト的なおどろおどろしさではなくかなりまじめな調子で描かれる。
医学サスペンスが陥りがちなゲテモノ趣味を免れているのはいい。

人体実験の非人道性とそれによってもたらされるだろう成果を天秤にかけると、個々人のケースにあてはめるとどうしても後者に傾いてしまうジレンマをついている。

中盤の地下鉄のトンネル内のアクションシーンや、クライマックスのエレベーター内の格闘と降りていく先のロビーの警官とのやりとりのカットバックなど、カットの組み立てが的確。
監督はマイケル・アプテッド。若手時代は俳優たちにとっての「組んでみたい監督」のトップで、「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」などの大娯楽大作も手がけるが、キャラクター描写にも手を抜かないバランス感覚のとれた演出家ということだろう。

ハックマンの配下にデビッド・モース、看護婦にサラ・ジェシカ・パーカーと、かなり豪華な配役。
グラントが自分のプロダクションで作ったが興行的に成功せず(ゲテモノ趣味を出さなかったのが仇になったか)、ラブコメ路線に戻ることになったらしい。

病院の請求書の詳細を調べるシーンで血液検査が500ドル、レントゲンが700ドルというのにびっくり。これではうっかり検査も受けられない。
もっとも、日本だって健康保険制度が整う前は、子供が熱を出していても医者にかけられないなんてこといくらでもあったわけで、これで医療制度がアメリカの後追いにでもなったらどうなるのかとぞっとする。
(☆☆☆★)

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6月18日(月)のつぶやき

2012年06月19日 | 映画
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