ソダーバーグの劇場用映画からの引退作、というのがどの程度宣伝になるのか知らないが、ケーブルテレビあるいはネット配信といった違うメディアにシフトするだけではないか、という気もする。デヴィッド・フィンチャーみたいにネットドラマ「ハウス・オブ・カード」でシフトして成功している先例もあるわけだし(フィンチャー自身もともとMTV出身でジャンルにこだわるとも思えないが)。
それにJ.J.エイブラハムズではないが、劇場用映画がリスクを避けるあまり冒険的な企画を避けすぎている不満もあるかもしれない。
内容的にはシナリオ先行で、監督の作家性は抑え気味な作り。
ミステリとしては犯人は誰かといった興味は早々に放棄して、目に見えない心の中の状態が、薬の副作用によるものか当人の意思によるものか解釈次第でどちらにも転ぶものをどう法的に白黒つけて裁くのかという難しい問題に向かう。
もっともそういうややこしい問題を掘り下げたり、製薬会社の戦略を追及するといった方向には行かず、程のいいところに収まるのがソダーバーグらしい。
向精神薬に対する一般的な不信感や目に見えないものに対する不安感もうまく織り込んでいる。
アメリカのテレビドラマでは当然のように実在の薬物の具体的な名前がせりふに出てくるが、今回の字幕も思い切って薬の具体名がSSRIはじめずらずら並ぶ。よっぽどアメリカ社会は薬漬けになっているのではないか、と思える。
ルーニー・マーラが可愛らしい分怪しく、怪しい分可愛く見える。
いかにもイギリス人っぽいジュード・ロウを配役して、なぜイギリス人の医者がアメリカに移ってきたのかという設定も医療制度の問題につながってくる。
(☆☆☆★)
本ホームページ
公式サイト
サイド・エフェクト - シネマトゥデイ
サイド・エフェクト@ぴあ映画生活
それにJ.J.エイブラハムズではないが、劇場用映画がリスクを避けるあまり冒険的な企画を避けすぎている不満もあるかもしれない。
内容的にはシナリオ先行で、監督の作家性は抑え気味な作り。
ミステリとしては犯人は誰かといった興味は早々に放棄して、目に見えない心の中の状態が、薬の副作用によるものか当人の意思によるものか解釈次第でどちらにも転ぶものをどう法的に白黒つけて裁くのかという難しい問題に向かう。
もっともそういうややこしい問題を掘り下げたり、製薬会社の戦略を追及するといった方向には行かず、程のいいところに収まるのがソダーバーグらしい。
向精神薬に対する一般的な不信感や目に見えないものに対する不安感もうまく織り込んでいる。
アメリカのテレビドラマでは当然のように実在の薬物の具体的な名前がせりふに出てくるが、今回の字幕も思い切って薬の具体名がSSRIはじめずらずら並ぶ。よっぽどアメリカ社会は薬漬けになっているのではないか、と思える。
ルーニー・マーラが可愛らしい分怪しく、怪しい分可愛く見える。
いかにもイギリス人っぽいジュード・ロウを配役して、なぜイギリス人の医者がアメリカに移ってきたのかという設定も医療制度の問題につながってくる。
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