一所懸命アメリカ映画のアクション表現を追いかけているのは、いかにも角川春樹がブイブイいわせていた時期の角川映画という感じ。
パトカーがやたら何十台も玉突き衝突するあたりは「ブルース・ブラザース」、野球場で照明塔の明かりが一斉につくのと銃撃とを組み合わせた効果は「ダーティハリー」といった感じ。
ただ、肉弾戦シーンの振り付けは格闘術が取り入られるようになった今からすると古く見える。
クライマックスの雪原の銃撃戦など、今見ると日本映画のアクション表現の枠をなんとか広げようと悪戦苦闘しているのが目に見えるよう。
ストーリーはまるっきり同じ西村寿光の「君よ憤怒の河を渉れ」と同じパターン。同じすぎてちょっと笑ってしまうくらい。ただし浅野温子が出ているけれど、寿光らしいお色気サービスはない。
夏八木勲が夏木勲名義でクレジットされている。
銃弾に十文字の切り込み入れてダムダム弾代わりにするシーンがあるが、これは考証的には正しくないらしい。
「映画や漫画等のエンターテイメント作品では通常のフルメタルジャケットに刃物等で弾丸の先端に切れ目(前述の十字型が多い)を入れて殺傷力を高めた弾丸を作る描写がなされこれをダムダム弾と称しているケースが時々見られるが、これはダムダム弾が開発されるよりはるか以前、銃の精度がまだ悪い時代に猛獣を仕留める等の目的で弾丸の殺傷力を高めるためにごく一部のハンターの間で個人的に行われていた方法[3]であり、近代ではまず行われることはない。実際にそのような弾薬を発射すると弾芯である鉛だけが押し出されてジャケットのみが銃身内に残されてしまい、次弾がこれに引っ掛かって詰まってしまえば銃身が破裂するため大変危険である」Wikipedia 弾丸
映画の内容とは関係ないが、不思議なことに普通の2chステレオにサラウンドをつけた旧式のシステムで聞いていたら、パトカーの追跡シーンで警官たちの通信の会話が分離してサラウンドの方から聞こえてきた。こんなことがあるのだろうか。