主演がレイ・リオッタとウォレム・デフォーだから、コントロール不能のキレた男たちが大暴れする映画かと思ったら大ハズレ。
科学者デフォーが新開発の薬で凶悪犯リオッタを善良にする実験をして、効果があるのかないのかいったサスペンスで一応ひっぱっているのだけれど、仮におとなしくなったとしても警察はじめ警備があまりに雑で簡単に目を離してしまうのが興を削ぐ。
初めの方でものすごく凶暴なリオッタの姿を見せているから、おとなしくなってからが猫をかぶっているのではないかと思わせ、ミシェル・ロドリゲスとの恋愛絡みで善導映画風の展開になっても嘘じゃないかと疑ってしまう。
凶暴な頃のリオッタに家族を襲われた男たちが命を狙ってくる方に対してもまるで警戒しておらず、どこにどういう風に肩入れして見ればいいのか混乱する。
科学の力で人間をおとなしくするというのは、考えてみるとロボトミーや「時計じかけのオレンジ」のルドウィコ療法みたいなもので、その非人間性についてもあまりきちんと描いていない。
(☆☆★★★)