シシー・スペイセクがいかにも発達不全みたいな容姿だったのに対して、クロエ・グレース・モレッツはいささかぷくぷくして健康的すぎ。小細工なしでプロム・クイーンになったっておかしくないのではないか。
キャリーが自分の超能力について自覚的な分、怒りや悲しみが抑えようもなく暴走して皆殺しに走る怖さは薄い。
キャリーが産まれる場面から始まり、キャリーに同情的な先生の生還をはっきり描いていたりとか、やはり同情的だった同級生が妊娠するとかいった脚色に、不寛容と怒りと憎しみを受け継ぐのか、それを悼み繰り返さないいようにするのかといった「知的」な操作が入っている。
キャリーの母親に体現される原理主義的キリスト教の不寛容性が簡単に異端者に対する攻撃性に結びつくことについて、特に言及はしていないがアメリカのイラクやアフガンに対する攻撃を思わせる。というか、もともとアメリカにずっとある体質が違う方向に噴出しているだけなのだろう。
総じて政治的な正しさを考慮して理性寄りに組み立てなおしている感じで、キャリーをいじめる筆頭の生徒が有色人種、というのはどんな狙いがあるのかと読み込みたくなる。
特殊効果による見せ場が増大した割りに、デパルマ版にあったヴィジュアル・センスというか、映像そのもので魅せる要素は薄い。
(☆☆☆)
本ホームページ
公式サイト
キャリー - シネマトゥデイ
キャリー@ぴあ映画生活
キャリーが自分の超能力について自覚的な分、怒りや悲しみが抑えようもなく暴走して皆殺しに走る怖さは薄い。
キャリーが産まれる場面から始まり、キャリーに同情的な先生の生還をはっきり描いていたりとか、やはり同情的だった同級生が妊娠するとかいった脚色に、不寛容と怒りと憎しみを受け継ぐのか、それを悼み繰り返さないいようにするのかといった「知的」な操作が入っている。
キャリーの母親に体現される原理主義的キリスト教の不寛容性が簡単に異端者に対する攻撃性に結びつくことについて、特に言及はしていないがアメリカのイラクやアフガンに対する攻撃を思わせる。というか、もともとアメリカにずっとある体質が違う方向に噴出しているだけなのだろう。
総じて政治的な正しさを考慮して理性寄りに組み立てなおしている感じで、キャリーをいじめる筆頭の生徒が有色人種、というのはどんな狙いがあるのかと読み込みたくなる。
特殊効果による見せ場が増大した割りに、デパルマ版にあったヴィジュアル・センスというか、映像そのもので魅せる要素は薄い。
(☆☆☆)
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