戦闘機を盾一つで撃墜するあたりは、ゴリアテに対するダビデといった趣もあり。
ロバート・レッドフォードは実物はリベラル代表として通してきたのだが、年齢を重ねるにつれ愛国的な軍人を演じたり(「ラスト・キヤッスル」)、「大統領の陰謀」についてジャーナリストを英雄的に描きすぎたといった発言をしたりと保守化とまでは言えないにせよ、やや自己批判的になっている。そこを今回の悪役の単純な権力主義者ではなく、はじめアメリカを守るためのつもりで始めたシステム構築が拡大解釈を重ねて自己目的化する図式に生かされている。
「コンドル」でCIAの下っ端が突然陰謀に巻き込まれて追われる展開も当然重ねているだろう。スノーデン事件が起こっている現在、まことにタイムリー。
アメリカの核やロケット=ミサイル技術などが第二次大戦で「敵」だったナチスドイツから移植されたものである皮肉も取り込んである。
(☆☆☆★)
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