1957年製作。ストーリーはパターンとしては「キング・コング」そのまんまだが、ハリーハウゼンにより命を吹き込まれた区リーチャーの魅力はまた別のもの。
ハリーハウゼンは象に餌をやる男の役で出演もしている。
大々的なイタリア・ロケでクライマックスもローマのコロシアム。マーシャル・プランでヨーロッパの外貨をアメリカに戻せなくなったのでアメリカ映画でヨーロッパロケが増えた(「ローマの休日」'53とか)時期の映画でもあるし、アメリカ軍が当然のようにイタリアで活動している。
翌1958年にストップモーション・アニメーションとしては初カラー作「シンドバッド七回目の航海」(監督は本作と同じネイサン・ジュラン)はスペインでロケされている。シンドバッドを取り上げたのは本作でイタリアで撮影された延長でロケ地をスペインになったのといくらか関係しているのかもしれない。
ハリーハウゼンのストップモーション・アニメーションは動きのスムースさとか合成技術だったら今のとは比較にならないくらいプリミティヴなのになお魅力的。
人形の「演技」が全身をフルショットを収めて芝居する、舞台演技に近いもので、カットを割ってフォローするということがあまりない。その分、生き物の感じが出ているのかもしれない。
同じ枢軸国ということで出てきたのかどうか日本人の科学者の名前がコロク博士というのは、蜂須賀小六からだろうか。
トランシーバーのでかいことでかいこと。