『床に鉋(かんな)をかける人々』 ギュスターヴ・カイユボット 1875年
実物を見ると、三人の男たちの肌の異様な生っ白さに驚く。病的な印象すら受け、それゆえのエロスも感じる。
向かって右にワインのボトルとコップ(ワイングラスなんて洒落たものではない)が置かれているが、真ん中の男に比べて作業が明らかに進んでいない。飲みながら働いているのか?
アンリ・ファンタン=ラトゥール「デュブール家の人々」 1878年
予備知識なしで見たので、全員が喪服姿なので葬式後かと思い、女性三人のうち年配の人は母親、あとの二人は姉妹、向かって左側は派手な格好しているから右側の人の夫が亡くなったのかと思ったら、葬式帰りではなく万聖節で、左側が義妹のシャルロット、右側が画家の妻のヴィクトリアなのだった。しかし、なんだか彼岸から生きている者たちを眺めているようなニュアンスがあるように、勝手に感じた。
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「エルサレム」 ジャン=レオン・ジェローム1867年
画面左側奥に夕焼けのように染まっている一方で、右手手前から光、それも人口光線のような妙に強い不自然な色の光が射している。
何か不吉なものが先に待っているようでもあり、こちらは現代に連なっているかのよう。どうしてこういう画ができたのかわからないが、奇妙に予見的なものを感じさせる。
「笛を吹く少年」 エドゥアール・マネ 1866年
胸のボタンと袖のボタンとが一列に並んで混同させるように配置されているのが実物を見るとよくわかる。ズボンの脇に入っている線が同時に輪郭線になっているのとともに、一種の騙し絵のようでもある。
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オルセー美術館展 印象派の誕生 - 国立新美術館