1939年製作、ヘンリー・フォンダ主演、ダリル・F・ザナック製作、ジョン・フォード監督。
フォードとしては初のカラー作品で、「若き日のリンカーン」と「怒りの葡萄」の間に作られており、ヘンリー・フォンダとのコラボがずっと続いている時期にあたる。
改めてフィルモグラフィを眺めてくると、フォードと名コンビの印象が強いジョン・ウェインが1939年の「若き日のリンカーン」に先立つ「駅馬車」から1947年のフォンダとのダブル主演にして騎兵隊三部作の第一作の「アパッチ砦」に至るまで組むことがないこと。つまりフォンダと交代する格好で主演を務めるようになっているのがわかる。
お話は1776年、つまりアメリカ合衆国の独立の年に始まるのだが、タイトルになっているモホーク族はアメリカの先住民であるとともに旧宗主国であるイギリスと同盟を結んで合衆国と闘っているというややこしい関係にある。このあたりのねじれ方が、今見ると新鮮だったりする。ただし、表に出るのはモホークだけで、背後で糸を引いている英軍は姿を見せない。
「インディアン」に襲われあわやというところに騎兵隊がかけつけて助かるというD.W.グリフィス以来のLast Minutes Rescueがここでも登場するのだが、前に馬車」でこれ以上やりようがないくらい突き詰めたこともあるだろうが、意外なくらいあっさりした印象。
家を焼かれる場面など、ベッドの上でこの家から出て行かないぞと頑張り続ける婆さんの描写でユーモアに紛らわせているあたりに今では期待すべくもない余裕を見せる。リベラルの要求するような「政治的に正しさ」はないが、むしろ臭みがない。第二次大戦に突入している時期というのと無関係ではないだろう。
家畜人六号【小暮 宏】 @yapoono6
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