prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「喰女-クイメ-」

2014年08月31日 | 映画
「東海道四谷怪談」の現代化、それも舞台と上と下のドラマを同時進行させながら交錯させるという趣向は面白い。「Wの悲劇」みたいになるのかと思ったが、舞台上の芝居がすぐ舞台稽古の中継ではなく独立したドラマとして立体的な描き方に切り替わる。

しかし困るのは、両者をつなぐブリッジである男が女を妊娠させて面倒になって捨てる部分に加えて出世を狙って別の女に乗り換える箇所の描写が舞台の下ではほとんど機能していないこと。たとえば劇団の内部で役の取り合いで枕営業するくらいの話を入れるなど、いくらでもアレンジのしようはあったろうにと思わせる。
だからひどい目にあった女の恨みつらみの爆発の部分がどうもパンチが効かない。

あるいは舞台の上と下で加害者被害者がくるりくるりと入れ替わる効果を狙ったのかもしれないが、どうも整理不足。

ふつうだったら掘に戸板の表裏に打ち付けられて放り込まれるお岩さまと宅悦を、舞台の中央に立てておいて回り舞台にしてぐるぐる回転させるシーンが印象的。舞台を見守る裏方たちが観客のようにももっと上から世界を見下ろしている存在のようにも見え、虚実皮膜の趣向をよく画にした。

最初の方に「ある物」のかなり不自然なアップがあって、あとで何か効いて来るだろうなと思ったら案の定。

術、現代のマンションのセット、ともに秀逸。

市川海老蔵が企画も兼ねて主演していて、女遊びが過ぎるあたり、セルフパロディのようでもある。
(☆☆☆)



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公式ホームページ

喰女 -クイメ-@ぴあ映画生活

映画『喰女-クイメ-』 - シネマトゥデイ

8月30日(土)のつぶやき

2014年08月31日 | Weblog

宮崎駿監督にアカデミー名誉賞 黒沢明さん以来2人目 t.asahi.com/foce むしろ驚いたのは、モーリン・オハラが同時受賞なこと。失礼、生きてたんですか。 1920年8月17日生(94歳)。 ジャン=クロード・カリエールも同時受賞。


なんか、いつのまにかすき屋の牛丼が値上がりしてたのね。といっても税込み270円が税抜き270円になっているわけで、もうちょっと堂々と上げればいいのに。これでちっとは待遇よくなるのかな。 #ss954


映画「サンチャゴに雨が降る」のアストル・ピアソラ作曲によるサントラ。 #この作品がなかったら今の自分は存在しなかったと言っても過言ではない作品を晒すべし ピアソラの音楽に出会ったきっかけ。 pic.twitter.com/tWXjw1NEmC


【本棚登録】『言語と文化史 ??アイヌ文化の探求にあたりて??』知里 真志保 booklog.jp/item/1/B00G3N5…


伊福部昭が戦時中木材の調査でX線被爆で血を吐いたというのは、何という暗号。#etv

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「ミ」で終わるフリギア旋法は泣き節、と。


伊福部の舞踊音楽の再演が計画されているのか。見たい、聞きたい。 #etv

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NHKの緊急地震速報の音が伊福部昭のシンフォニア タプカーラの一節、それもアイヌのさあ歌おうと立ち上がる姿をイメージしたところを元にしたというのにびっくり。 #etv

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文化というものは、足の裏から入ってくるもの ガルシア=マルケス 止まった時計は24時間に一度は合う
伊福部昭 #etv

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