本筋ではないにせよ、初期の核開発が絡むとなるとそういえばフランスはポーランド出身のキュリー夫人を擁して放射性物質の研究では世界をリードしていたことあったのだったなと思わせた。それが今のフランスの原発政策にも関わってくるのだろうし。ヒッチコックの言うところのマクガフィンが「汚名」みたに放射性物質そのものではないのは、時代の要請に応じた配慮の存するところだろう。
監督のジャン=ポール・ラプノーはカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「うず潮」で、アメリカ式スラップティックにフランス風味のエスプリを加えるのと、普段悲劇的な役が多い女優をヒロインを明るく喜劇的に動かすのに腕前を見せたが、今回はスケールが大きくなった分あれほどの切れ味はないにせよ、アジャーニの相当ひどいわがままぶりを当人とダブルイメージさせつつ可愛らしく見せる。この映画に出演した時アジャーニは47歳、さすがに可愛く見える最期と思える。かなりこの時すでに太っております。
(☆☆☆★)
映画『ボン・ヴォヤージュ』 - シネマトゥデイ
ボン・ヴォヤージュ@ぴあ映画生活

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監督 ジャン=ポール・ラプノー 主演 イザベル・アジャーニ | |
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