人類の「進化型」と、それを導く存在、あと人間とは違うかたちの言葉を投げかけてくる主体を一人でやっているのだから、相当にムリな感じはある。
バイオテクノロジーとITと、このふたつが物凄い勢いで人間存在に対する概念を根底から覆しつつあるわけだが、まだふたつに一応別れているのをここではイメージ上でひとつにまとめてしまった感あり。
しかし、いずれ実際にそうなるかもしれない。化学反応も大雑把にいって電子のやりとりといったところにまとめられて統一された理論として扱われることもありうるからだ。
ただ、黴の胞子のように空中を漂い、テクノロジーに対してドラスティックな変化をもたらす何者かが、画としてはそれほど強いものではないのは残念。もともと人間を越えた存在を人間の目に見える形にすること自体形容矛盾みたいなもので、難しくはあるだろうけれど。
スカーレット・ヨハンソンが先日の「her」では声だけの出演だったのが、今回はもっぱら肉体を持たない相手の声を聞く役にまわっているのがおもしろいところ。
(☆☆☆)
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映画『トランセンデンス』 - シネマトゥデイ
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