1作目(エピソード4)はノー天気な勧善懲悪ものとして受け取られていたわけで、今でこそルークの父アナキン・スカイウォーカーがフォースの暗黒面に囚われてダース・ベイダーになったというのは常識になっているわけだけれど、この善と悪との捩れを最初に提示したのがこれ。
後付けの理屈ではあるが、最初からああいうややこしい話にしていたら、あんなに大ヒットしなかっただろう。
敵が実は身内、という点で、ジョンストン・マッカレーによるチャンバラ小説の元祖「スカラムーシュ」の影響(ここでは実は兄が敵)を指摘しているのは小林信彦。読んでいないので確認はしていない。
監督のアーヴィン・カーシュナーは「馬と呼ばれた男」の続編「サウス・ダコタの戦い」でもシリーズの基本は外さず、キャラクターの掘り下げと、画面の美術的なセンス、特に色彩設計にすぐれた才能を見せていたが、サーガの中で芝居と映像の両方でとびぬけて格調高い。
ルーカスの大学での先生であり、ハリウッドでの仇名が「ルネッサンス・マン」だったというから推して知るべし。
CG技術が導入されてから画面を手直しした版が出たわけだけれど、正直余計だと思っている。なまじ窓の外が見えるようにしたので、かえって見えているところしか感じなくなったし、同じつなぎなのに、微妙に編集の切れ味が悪くなったというのがアタシの偏見。
一番ストーリー的には中途半端なのが一番満足度が高いのだから不思議な話。
本ホームページ
スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 リミテッド・エディション [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |