実際、出演者でなじみのある人は一人もおらず、祖母を演じるディアナ・デュナガンは舞台でトニー賞をとっている人だがテレビの出演が主で、ただ素人ではないのは見ていてはっきりわかる。あんな真似なかなかできないぞ。
祖父役のピーター・マクロビーは調べてみると「リンカーン」などけっこう見ている映画あるのだけれど、よくある顔という感じで役者臭薄し。子供たちはもちろんそれぞれキャリアが長いわけがない。
その上でモニュメンタリーの手法を使っているのだから、監督の名前隠したら新人だといって通用しそう。ただしエンドタイトルを見ているとストーリーボードを作っているのだからそれなりに手をかけて十分計算して撮っているのだろう。
二台のカメラをまわしているという設定にして巧みに切り替えたり、客観的な情景を挟んだりしてモニュメンタリーの窮屈さから逃れている。
内容は毎度おなじみシャマラン印のもったいぶり演出で、ネタが割れるとなーんだになります。そこまでの、たとえばドアを開けるとあれれと思うようなヘンなものが写る、その呼吸でどきっとするか笑うか、とにかく楽しむのがコツといえばコツ。
舞台になる家はWi-Fiも入らない、携帯の電波も届かない僻地にあるのだが、それでもネットはつながっているのですね。ADSLなのか光なのか、アメリカのネット環境というのは世界的にみると意外と良くなく、祖父母がパソコンを使っているようにも見えない(使っていたらあらかじめ情報をやりとりしているのではないか)のに、どうなっているのだろう。シャマランで考えるだけヤボか。
(☆☆☆)

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