主人公の父親が造園業という設定が意外なところで生かされて、トラックに積んでいた植木が動かされてぽつりぽつりと雪の道に道しるべとして置かれているのを追うシーンなどセリフなしで一種神秘的なような緊迫感がある。子供が行方不明になるシーンなどでもカナダ・オンタリオ州の雪景色が全体に非常に効いている。邦題もそこからとられたのだろう(原題The Capitive)。
犯人たちの変態ぶりと凶悪さはそれほど毒々しく強調しておらず、刑事を含めて関係者にさまざまな影響を与えていくのにかなり描写を割いている。テレビドラマの方が毒々しさでは上回っているみたいで、こちらでは一種の格調を崩さない。
後半ふつうのサスペンス・アクションに寄ってからやや調子が乱れるのは惜しい。
(☆☆☆★)
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白い沈黙@ぴあ映画生活
映画『白い沈黙』 - シネマトゥデイ