男の独り暮らしの描写のディテールがいい。きちんと自分で食材を買い出しして料理している手つきが板についていて己を侍する態度の表現にもなっているし、それが過去の家族とのつながりにも本田翼の関係にも共に広がりを見せる。
かなりの距離を歩いて通勤していて、こんな辺鄙なところで車なかったら不便だろうと思ったらちゃんと急病人を運ぶところでは使う。普段使いはしていないということで、国選弁護人の身で贅沢はしていないということだろう。
初めのうち「滝の白糸」みたいな話だと思っていたら(佐藤浩市と尾野真知子が大学でほぼ同期というのは無理があると思うが)、実際、ある種の贖罪の話になってくる。
人の法律上の罪を裁いていた男が自分の倫理的な罪を自覚し再出発する話、と乱暴に言うとまとめられるだろう。
もとよりやや観念的な話ではあるので、棄てていた妻子のうち息子はラスト近くで姿を見せたのはちょっと疑問。最後まで手紙や電話など言葉だけで処理するのかと思った。
健康そのものといったイメージが強かった本田翼に覚醒剤使用の罪を問われる役を振るというのは意外だが、実際割とふつうの女の子が(特につきあっている男絡みで)薬に手を出してしまうのかなと思わせて、再生するところでは健康的なところが生きている。
旭川の必ずしも観光的でない風景が魅力的。廃屋になっている本田の実家の描写など大げさではないが手がかかっている。
(☆☆☆★)
本ホームページ
公式ホームページ
起終点駅 ターミナル@ぴあ映画生活
映画『起終点駅 ターミナル』 - シネマトゥデイ
かなりの距離を歩いて通勤していて、こんな辺鄙なところで車なかったら不便だろうと思ったらちゃんと急病人を運ぶところでは使う。普段使いはしていないということで、国選弁護人の身で贅沢はしていないということだろう。
初めのうち「滝の白糸」みたいな話だと思っていたら(佐藤浩市と尾野真知子が大学でほぼ同期というのは無理があると思うが)、実際、ある種の贖罪の話になってくる。
人の法律上の罪を裁いていた男が自分の倫理的な罪を自覚し再出発する話、と乱暴に言うとまとめられるだろう。
もとよりやや観念的な話ではあるので、棄てていた妻子のうち息子はラスト近くで姿を見せたのはちょっと疑問。最後まで手紙や電話など言葉だけで処理するのかと思った。
健康そのものといったイメージが強かった本田翼に覚醒剤使用の罪を問われる役を振るというのは意外だが、実際割とふつうの女の子が(特につきあっている男絡みで)薬に手を出してしまうのかなと思わせて、再生するところでは健康的なところが生きている。
旭川の必ずしも観光的でない風景が魅力的。廃屋になっている本田の実家の描写など大げさではないが手がかかっている。
(☆☆☆★)
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起終点駅 ターミナル@ぴあ映画生活
映画『起終点駅 ターミナル』 - シネマトゥデイ