prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「最後のランナー」

2018年07月27日 | 映画
「炎のランナー」のラストで主人公の一人であるエリック・リデルについて後に中国で教師として過ごし(もともと中国の天津生まれ)日本軍の収容所で死んだと簡潔にタイトルが出るが、その内実を映画化したのがこれといっていいだろう。

そして正直、それ以上でもそれ以下でもない内容で、日本軍の蛮行の描写については、中国製抗日ドラマほどひどくはないが、日本人役をやっている日本人俳優はユモト・ヨシノリ役の小林成男だけで、イントネーションがおかしい日本語のセリフも多くて、どうもリアリティが薄くて型にはまった印象は免れない。

日本側も物資の不足に苦しんでいて、外部のリデルの中国人の友人が収容所で見張っている日本軍人に賄賂をやって一定の時間、鉄条網に流している電流を切ってもらい収容所の外から物資を持ち込むのを大目に見てもらったり、外で子供たちにあげさせた凧をわざと鉄条網に当てて燃やしてボヤを起こして見張りの目を引き付ける間に脱獄を図るといった趣向は割とおもしろい。

収容所の中で脚力自慢の日本軍人と競走するシーンも、リデルが「炎のランナー」で見せた天を仰いで神の恩寵を受けるような走り方をするのかと思ったらそうともとれるようなそうでもないようなで、今一つ盛り上がりに欠ける。

リデルが人種の隔てなしに子供たちに教えている教師としての顔を見せるシーンは魅力的。それだけに終盤の展開は痛ましい。
(☆☆☆)

「最後のランナー」 公式ホームページ

「最後のランナー」 - 映画.com

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7月26日(木)のつぶやき

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