シャーリーズ・セロンがうんと小さい時に略奪されるようにリーアム・ニーソンの無法者(たまにこういう徹底したワルをやっても似合う)の妻にされていやいやついていたのが、まったくの弱虫のようで誠実な男と出会ってというあたり、昔の臆病者の男が奮起するクラシックなパターン(「懦夫奮起せば」)と今風のフェミニズムとをうまく合体させている。
飼っているのが馬でなく羊というのが主人公の弱虫ぶりを表わすと共に、一方で羊飼い(よき羊飼いというとキリストのこと)であることで神の恩寵に近いのを表わしてもいるのではないか。
西部劇で先住民の扱いというのは鬼門みたいなところがあるが、ドラッグ絡みのこういう取り込み方はありなのだろうか。幻覚描写自体はダリの絵画を映像化したみたいなセンスが面白い。
「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」 - 映画.com
ホームページ