原作小説のタイトルはThe Lolly Madonna Warだが、映画化タイトルは The Lolly Madonna XXX。なぜXXXになったのかはわからないが、暗喩的な印象を強調したかったのかもしれない。
両家の違いというのが食卓シーンに典型的に出ていて、フェザー家では男たちだけ席について女たちが給仕しているが、ガットシャル家は女性も一緒に食べている。
フラッシュバックで過去にフェザー家の娘が事故死しているのが大きく影を落としているのが描かれ、それが外部から「ロリ・マドンナ」(なんという名前か)が介入したのがきっかけで一気に「女がいない」欠落感(性欲面だけでなく)が噴出するのがわかる。
1973年作だが、両家の家長(という言葉がぴったり)がロッド・スタイガーとロバート・ライアン、その息子たちがジェフ・ブリッジス、エド・ローター、ランディ・クエイド、ティモシー・スコット、ポール・コスロ、ゲイリー・ビューシイと、70年代アメリカ男優を結集したようなすごいキャスト。
それで豪華という感じというより、ニューシネマの時期だがニューシネマという範疇からもこぼれ落ちてしまうような、ど田舎でくすぶらざるを得ない男たちのやりきれなさを、鬱屈とともに叙情的に出した。
エド・ローターがエルヴィス気取りでショーに出ている幻想に耽るうら悲しさ。
「ロリ・マドンナ戦争」 - 映画.com