prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「バスキア、10代最後のとき」

2019年05月21日 | 映画
70年代当時のNYの危機的経済状態を語るフォード大統領の肉声から語りだし、なんとも荒廃した、白人たちがみんな郊外に逃げてしまった街の中心部で黒人たちが思い思いに電車やビルの壁に落書きをしているを見せる。

当時の伝えられ方ではもっぱら不良が街を汚して荒廃させてどうしようもないという感じだったが、それらの落書きが実に自由な型にはまらず不定形な多様な生き生きした表現であることが、実際に大量の実物を見ていくうちに自然にわかる。

絵や音楽やファッションといったジャンルはもちろん、作品と作者といった区別なく行き来するカオスの中にバスキアという若者が、抜きんでているというよりは逆にすっぽり抜けた真空地帯のような虚の存在感とでもいった感じで現れてくる。

ある時期のウォーホルがやはり虚の存在感といったものをまとっていたが、バスキアは早逝したこともあって本当にいたのか不思議な感じすらある。

「バスキア、10代最後のとき」 - 映画.com

「バスキア、10代最後のとき」 - 公式サイト


5月20日(月)のつぶやき

2019年05月21日 | Weblog