当時の伝えられ方ではもっぱら不良が街を汚して荒廃させてどうしようもないという感じだったが、それらの落書きが実に自由な型にはまらず不定形な多様な生き生きした表現であることが、実際に大量の実物を見ていくうちに自然にわかる。
絵や音楽やファッションといったジャンルはもちろん、作品と作者といった区別なく行き来するカオスの中にバスキアという若者が、抜きんでているというよりは逆にすっぽり抜けた真空地帯のような虚の存在感とでもいった感じで現れてくる。
ある時期のウォーホルがやはり虚の存在感といったものをまとっていたが、バスキアは早逝したこともあって本当にいたのか不思議な感じすらある。
「バスキア、10代最後のとき」 - 映画.com
「バスキア、10代最後のとき」 - 公式サイト