金勘定という視点から忠臣蔵を切り取るというのが眼目の映画だけれど、思い切りよく今の円単位に換算して字幕で出すだけでなく、なんでも鑑定団ばりに数字がぐるぐる回ったり、旅する浪士一人一人にいちいち36万円という旅費の字幕が立体的に貼り付いたりと、文字そのものの映像性といったものも取り入れている。
カメラワークも時代劇らしい安定した画面の中に手持ちで振り回すようなカットを放り込んだりするのが新鮮。
松の廊下で吉良上野介の主観カットにして当人の姿を見せない処理が面白い。
悪い奴を叩き切るというにはもともとムリがある話を当の吉良の姿を見せないことで外したとも思える。
最近の経済時代劇だとチャンバラが付けたりみたいに見えることが多いが、喜劇調の場面のなかでかなり残酷味が強いのは狙いとおりなのかどうか、判断に苦しむところがある。
全体にどこまで仇討ちする気があるのかないのかわからないところがあるのが調子が整わない印象で、瑤泉院の扱いもぴたりと決まらないところがある。
カメラワークも時代劇らしい安定した画面の中に手持ちで振り回すようなカットを放り込んだりするのが新鮮。
松の廊下で吉良上野介の主観カットにして当人の姿を見せない処理が面白い。
悪い奴を叩き切るというにはもともとムリがある話を当の吉良の姿を見せないことで外したとも思える。
最近の経済時代劇だとチャンバラが付けたりみたいに見えることが多いが、喜劇調の場面のなかでかなり残酷味が強いのは狙いとおりなのかどうか、判断に苦しむところがある。
全体にどこまで仇討ちする気があるのかないのかわからないところがあるのが調子が整わない印象で、瑤泉院の扱いもぴたりと決まらないところがある。
忠臣蔵という素材ですら今では通じにくくなっていると判断してか、必ずしも新解釈を売りにしないでお金という今でも誰にでも通じる切り口をもってきていて、何をやるにも金はかかるなと嘆息するようなところもある。まして「戦さ」ともなると、もうバカみたいにかかるのがわかる。