魔女の姿が異様にねじくれて一つの身体に複数の身体を組み合わせたようで、一人で登場したかと思うと三人になったりする。聖三位一体ならぬ悪の三位一体といったイメージかと思う。
白黒の異様に整頓されたこれまでのジョエル・コーエン作品(兄弟ではない初の単独監督作)のどれよりも表現主義に徹した画作り。
VFXを縦横に使ってサイレント映画時代の表現主義映画の画面を、さらに壮大緻密に作るという方法論と思える。
デンゼル・ワシントンのマクベスは特に後半の人格が荒廃してからの表現にオスカー受賞の「トレーニング・デイ」につながる現代性を見せる。