ふたりの女子がYouTubeに乗せるために高さ600メートルの放送塔に上ったら、ハシゴが老朽化していて壊れて下りられなくなってしまうというおそろしく単純な設定のワン・シチュイエーションドラマとしては強力で、何より目がくらみそうな高さの表現がすごい。とにかく作り物じみたカットがない。
ただ、いかに何でもやってることがバカすぎるし自業自得と言われても仕方なく、だから冒頭にシリアスなエピソードをつけて酒におぼれていたのが恐怖と困難を克服するドラマの体裁をつけているもので、107分という割と長めの仕上がりになった。
スマホをクッションにくるんで落とすのだったら、アレが使えるのではないかとか隙が見えるところが散見するのだけれど、意外と芸術的な表現が紛れ込んだりして、必ずしもシンプルに徹しているわけではない。