柳沢きみおが漫画は音が使えないのが悔しいと言ったことがあるけれども(スマホ用のマンガにはすでに音があるし、ホラーではすごく効果的)、とはいえこの場合欠落している音楽そのものをふんだんに聞かせることに全力を注いでいる。
世界一のサックス奏者を目指すという設定なわけだけども最初の方からそれに近いのではないかと思わせてしまう。 もっとも音楽がショボかったら作品自体が全く成り立たないわけでその逆よりはよっぽど良いわけだが。
阿部薫は若松孝二作品でしか聞いていないから聞いた風なことは言えないが、吹き始めがちょっとあれっぽい音に聞こえることがあった。あそこまでエキセントリックではないが、河原で吹いているところが共通しているし。
原作読んでいないのだけれどもキャラクターの設定やその変化に関しては正直 ごくフラット。ただあまり問題にならないという感じはある。
ロトスコープやモーションキャプチャーなど 使って 人間の動きを 取り込んでいる 観客を含めて時々ゾンビかかって見えない見えるところはないでもないが 音楽のイメージ化、視覚化っていう点ではすごく徹底している。
脚本が個人名ではなくてグループ名になったらどういうことなのだろうかきめつのやいばのそうなのだがシナリオ作りをチームシステムでやるって言うのが今の漫画界の主流ということなんだろうか。