prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「キャットウーマン」

2004年11月17日 | 映画
ヒロインはアーティスト志望なのだが、この監督もそうなのか、やたら色や画面構成に凝っている。
だけど芝居のつけ方はめちゃくちゃ。初めの方でヒロインが窓の外の上で降りられなくなっている猫を助けに窓の外に出て行き、古いクーラーに乗って落ちかける。アホか、木の上の猫と間違えてないか。最上階の設定にして屋上にまわって上から助けようとすればいいではないか。ここでマジメに見る気なくした。
すると果たせるかな、今どき有害廃液を川にどぼどぼ捨てるわ、宝石店に泥棒が入っても警報が鳴るでもなく、たまたまやってきたヒロインがやっつけるわ。
シャロン・ストーンが殴っても効かない鉄面皮というのは、笑えないジョーク。

写真は、劇場前の清掃風景。
(☆☆★★)


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バカ息子

2004年11月17日 | Weblog
パウエル退任。せっかくブッシュ・シニアの時代に自分が指揮した湾岸戦争での勝利をぶち壊して
くれたのだから、やってられないだろう。
中国が珍しくも遺憾に思うと発表。中国語で何て言うんだ?

結構暖かく、自転車に乗ったら大汗かく。

体重200キロの超デブの吸血鬼が出てくる「ニューオーリンズの白デブ吸血鬼」(アンドルー・フォックス)を読む。ジャンク・フードを食べてる人間ばかり襲ってるから太ってしまったというもの。
ほとんど「悪魔の毒毒モンスター」ばりの下品かつバカバカしいギャグが600ページ以上続く。

「笑の大学」

2004年11月16日 | 映画
初めと終わりが対応していない。
検閲を通るか通らないかの戦い一本で、あれだけ前半で“不許可”のハンコを押すのをなんべんも見せているのだから、“許可”のハンコが押されてショー・マスト・ゴー・オンとならないとおかしい。

検閲官が台本作家にあきれるくらい細かいケチをつけ、それに作家がそれを上回る知恵で切り返すあたりは、検閲官が演出家とも座主、あるいは映画監督ともプロデューサーあるいはもっととも見える膨らみを持ち、ピンチをチャンスに変えて行くエネルギーに感心する。

そしてお堅い検閲官が、自分のケチに対するリアクションに、マジメに考えたものに対するものだけについ反応してしまい、自ら芝居に乗って文字通り走り出すシーンは、カメラワークもメリーゴーランドのようで音楽も何やらフェリーニのジンタを思わせて最高、検閲官の中の自由な“笑い”が表に出てくる。このあとすぐハンコが押されるのかと思った。

だがこの後、お話は蛇足的にあくまで戦時中の検閲官と台本作家の物語に縮まってしまい、せっかくの真剣な言葉のやりとりが持つエネルギーをむしろ損ねた。
馬鹿っ正直な抵抗を採らないことは冒頭の左翼作家の扱いで見せていたはず。

客に見てもらってなんぼの作家ではないのか。
それに実際の劇団を見せている分、上演できなかったら彼らは食いっぱぐれるはずと気になり、いくら作者に不親切といってもそれはひっかかる。

舞台は見ていないので映画を見ただけで、以上のように書いたが、どうも調べてみるとやはり舞台は笑いで終わるらしい。そうだろうと思う。
(☆☆☆★)


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シークレット・ウィンドウ

2004年11月15日 | 映画
ところどころ保安官が手芸をしていたり、脅しというより苛立たしさ優先の、見ようによってはギャグじみた演出がある。
×を壊すところで、またあれをやるのじゃなかろうなと思ったらやりましたね。あれでナメた人も多かったのではないか。
ついでに「シャイニング」の“レドラム”の手は出るは、「ダーク・ハーフ」は出るはで(ついでにあれの主演のティモシー・ハットンも出てくる)、全体は「ミザリー」風だはで、キング作品とその映画化の手をぶちまけてきて、ちょっとパロディがかってくる。

だもので、ちょっと穿って見たくなる。

初めのうち、デップがなぜ自分が持っている単行本の初出一覧を見ないのだろう、初出の雑誌にこだわらなくても一覧に載った発表時期で盗作ではない証明になるのに、と不思議だった。それでかなりノリが低くなった。
だが、初出時期をついにデップ自身が見ないで、“事実が小説を摸倣する”ところまで行ってのは、いまさら意外性でぴっくりさせるだけより先のことは考えている、気がする。



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お化けキャベツ

2004年11月15日 | Weblog
キャベツ一個2000円というのがあった。ただしハロウィンのお化けカボチャみたいな奴。
誰が買うんだろう。店員の態度すげー悪い店だし。

魁皇も綱取りと(また)騒がれて一日目からコケなくてもいいじゃないか。
なんか外で暴漢が無謀にも元北勝鬨に襲いかかって取り押さえたというニュースの方が楽しませてくれる。


2004年11月07日 | Weblog
また金を振り込まなかったら訴えますというメールが携帯に入る。
やれるもんなら、やってみい。

エアコンで欠陥があるかもしれないというので、リコールで診てもらう。別に異常なし。
まあ、異常があったらとっくに火を噴いていると思うが。三菱の例もあるから、神経質になっているのか。

「デビルマン」

2004年11月06日 | 映画
いや評判の悪いの悪くないのって、あまり情報は入れない主義なのだが漏れ聞こえてくるだけで壊滅的な不評。で、それらはすべて正しい。いちいちひどいところを挙げるのも面倒なので、以下↓のリンク集参照。

映画デビルマンを徹底的に叩く

言われたほどひどくないよという評判すらほとんどない。
はっきり言ってここまでひどいとひどいのを楽しむってわけにもいかない。まともなシーンを探す方が難しいくらいで。
眠ろうかと思ったが、ときどき中途半端な見せ場が出て来たりするから、それもできない。
楽しめるとしたら、あとで悪口雑言の嵐を読むこと。
(★)

「トルク」

2004年11月05日 | 映画
バイクが走ってる以外なんにもない。
好きな人はいいだろうけど、こっちみたいにあまり興味ない人間からするとけっこう眠くなったりする。眠っても一向に構わない作りだが。いくら主役がバイクだからって、ヒーローヒロインの役者がもうちっと魅力があるといいんだけどね。
(☆☆)

続・米大統領選挙

2004年11月04日 | Weblog
予想通りブッシュの再選。
正直言って、終始ブッシュがリードしていて騒がれたほどの接戦とは思えなかった。州に配分された20人といったまとまった数が勝てばどんと積み上げられるから、という解説がしきりとされていたが、だったらああいう棒グラフで刻々と見せて行くやり方は不適当ではないか。
180対120と60も差が開いた前で、ケリーが大統領になったら日本や小泉はどうなるかなんてもっともらしく論じているのは、滑稽に見えた。最終的には差はかなり縮まったにせよ。
事実を報道しろよ。願望ではなくて。

それと、見ていて思ったのはアメリカでも選挙の基本はドブ板選挙だということ。
見かけはスマートに仕立てているけれど、基本的にはまめに歩いて回って握手して組織固めをしてと、日本と一緒。

米大統領選挙

2004年11月03日 | Weblog
それにしても、なんで日本でアメリカの大統領選挙をこう大々的に報道するかね。
そんなにケリーに勝って欲しい、っていうかブッシュが嫌いかね(アタシも嫌いだけど)。
だけどこっちに投票できるわけでもなんでもないもの、微にいり細に穿って伝えられてもなあ。むりやりニュースに仕立てている感じ。アメリカ以外の国での支持率なんて伝えられたって、無意味もいいとこ。
本質的に強いアメリカを標榜している点では同じで、どっちがそれにふさわしいか競争だろう。そうでなかったら、候補にもなれないはず。
ところで予想をいうと、ブッシュの勝ちだと思う。外れた方がいい予想だが。

「エクソシスト ビギニング」

2004年11月02日 | 映画
メリン神父がナチスの収容所で誰を生かし誰を殺すかを決めるのを強制されるところは、ちらっと「ソフィーの選択」の“選択”を思わせる。あそこで選択を強制するのは無神論者の医者だったが、こちらでは選択を強制された神父が信仰を捨てる。キリスト教での無神論者というのはただ神を漠然と信じなくなるというのではなく、罰する者がいなければすべては許されているとばかりにやたらと非人間的な行為につながるみたい。

シリーズ1作目はキリスト教文化圏から見た異文化の霊が悪として斥けられていたわけだが、ここではキリスト教が原始宗教から精錬されていく過程で捨てて来た禍々しい要素が、たとえばここでは堕天使ルシファーにつながる悪霊evilとして描かれていて、悪がキリスト教内部から現れていることがちょっと示唆されている。

二人の神父が互いに戦って逆さ磔(「灰とダイヤモンド」みたい)がえんえんとつづくオープニングと、イギリス軍とケニアの現地人とが戦い死屍累々となるラストとの対応は、キリスト教文化圏の内部の争いと外との戦いとをどっちも悪として見る視点を示しているよう。

最終的には神父が信仰を取り戻すわけだが、悪との戦いにはそれが必要だからという感じで、キリスト教の宣伝じみた感触は薄い。

はっきり言ってまるっきり期待しておらず、どんなバカ映画になっているかぐらいに思っていたら意外とちゃんとした作り。けたたましくCGの洪水で攻め立てるより、気持ちの悪い物の質感をしっかり出している。
画面が宗教画のように重厚かつ華麗で、撮影誰だろうと思っていたら、なんとヴィットリオ・ストラーロ。予備知識は一切持たないで見る主義なのだが、こういうサプライズの楽しみがあるから。
スタッフロールに、やたらイタリア系の名前が多い。
(☆☆☆)


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