少し前に、映画「眉山」を観てきました。
この物語はさだまさしの小説「眉山」を原作に
宮本信子が演じる母と
松嶋菜々子が演じる娘の絆を描いた映画。
咲子は母の龍子が入院したという知らせを受け久々に帰郷する。
医者から告げられた母の病は末期ガンだった。
咲子は余命少ない母を阿波踊りへと連れ出す。
こんな書き出しで、さだまさしの小説は始まっています。
5月9日、東京・有楽町の朝日ホールで開かれた試写会に
美智子皇后さまが出席されたことはニュースで話題になりました。
上映終了後、美智子皇后さまは
「本当に素晴らしかったです」と何度も言われたそうです。
それだけで観に行きたいと思った映画でした。
そしてなぜ美智子皇后さまがご覧になったかということも(理由)
話題になっていたようですね。
クライマックスの阿波踊りのシーンで、咲子(松嶋菜々子)の
父と母が阿波踊りの見物客の中でお互いを確認しあうシーンがあります。
映像だけが流れて音響が消える瞬間がありました。
このシーンを美智子皇后さまは「たいへんよかったです」と
感想を述べられたとありました。
それは本当に素晴らしい父と母と娘が、目で語り合うシーンでした。
クライマックスの阿波踊りのシーンでは
本物の演舞場で阿波踊りを再現し
「有名連」の33連が一致協力して豪華絢爛たる総踊りをしました。
それは実際の阿波踊りでも決して観ることはできないとか。
まさに圧巻のスケールのラストシーンでした。
またこの阿波踊りのラストシーンでは踊り子や観客として
参加した地元のエキストラの総数は14200名。
地元の演舞場で阿波踊りを再現するのは
地元にとっても初めてのことだったとか。
壮大なスケールで撮影された阿波踊りのシーンは
日本の映画史上に残る
奇跡のクライマックスシーンとも言われています。
眉山とは徳島県(徳島市)にある山。
どの方向から眺めても眉の姿に見えることから
「眉山」という名がつけられたといわれています。
徳島のシンボル的存在として親しまれ、阿波踊りを見続けてきました。
母の哀しい恋を受け入れる娘。
末期ガンの母に対しての娘の想い。
そして死んだとされていた父とのめぐりあい。
すべてを許し合い認め合う、優しくも哀しい母と娘の物語です。