今朝は日本中がこの笑顔に釘付になりました。
日本時間6時27分、演技が終了しました。
その瞬間、荒川選手は満面の笑みをたたえた。
観客の魂を揺さぶるような滑りでした。
会場内からどよめきと拍手が聴こえました。
トリノ五輪女子フィギュアアイススケートで
日本の荒川静香選手が
堂々の金メダルを獲得しました。
アジアで初の女子フィギュアの金メダルです。
日本中が歓喜に酔いしれた嬉しい朝でした。
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」の曲に乗り
冷静に、伸びやかに、ダイナミックに、しなやかに
まるで白鳥が大空を舞うように銀盤の上を滑りました。
滑りながらの冷静な判断力には驚きました。
最初の3回転=3回転を3回転=2回転に抑え
次の3回転のコンビネーションも
「バランスを崩してしまう」と判断して
3回転=2回転にしたという。
冒険をして失点するよりも確実に点を取ろうとした荒川選手。
中盤にはY字スパイラルや難易度の高い技を連発させました。
後半では得意のイナバウアーを披露しました。
上体を大きく反らせて銀盤にカーブを描く。
これは直接点数には繋がらないけれど
荒川選手は「見せたいから!」と言う。
会場から歓声が沸き起こりました。
3回転=2回転=2回転の3連続ジャンプにも
成功しました。
小さなミスはあったものの計算されつくしたように
楽しむように銀盤の上を滑り終えました。
一度は引退を決意しながら
再び五輪の舞台を目指し
世界の頂点に立った荒川選手。
一段高い表彰台で荒川選手の胸に
ずっしりと重い金メダルが掛けられました。
そして銀盤の女王の笑顔は金色に輝いていました。
惜しくも4位だった村主章枝選手。
あなたの演技はアートの世界でした。
儚ささえ感じさせる繊細な演技はきっと忘れないでしょう。
いつも前向きな安藤美姫選手。
4回転ジャンプが決まる確率は低い。
けれどあえてそれに挑戦して、自分を主張しました。
あなたの勇気は決して忘れないでしょう。
この二人の心にも金メダルをかけてあげたい。
あなたたちがいたから、荒川選手もがんばれた。
三人が力を合わせて今日の日を迎え
そしてトリノに日の丸の旗を掲揚できたのだと。
村主選手、安藤選手の栄誉をも称えたい。