晴れ、18度、84%
私が、アムステルダムにいたのはたったの54時間。寝る時間もありましたし、家人の会社の駐在の方たちとの時間もありました。
当初の目的のひとつ、40年前に手紙を交わしたHoving兄妹に会うことは出来ませんでした。10月の終わり、旅程がはっきりした段階で、実は、手元に残る住所に手紙を出したのです。お時間があればお会いしたいと。でも、お返事は未だにないままです。しかも、短い滞在と、思いがけない家人の病気。着いた翌日、家人をホテルに残して4時間ほど側を離れるのがせいぜいでした。
アムスは、いえ、オランダがなのかもしれませんが、自転車が多い街でした。ベトナムのオートバイのように群れをなしているわけではないのですが、足代わりのようです。雨、雪の舞う中、自転車で行き来する人の多いこと。しかも、赤ん坊から子供まで乗せています。その子供用の座る部分が、それぞれ違うのですが、とてもしゃれています。前方に子供が2人座れるようになったものまで、見かけました。しかも、幌付き。見とれていて写真がないくらいです。 自転車が多いので、自転車用の信号があります。朝7時過ぎですが、まだ、真っ暗。
歩いていると道際の少し小さなドアが気なりました。私ならすっと通れるくらい、大きな人は背を曲げなければならないドアです。失礼して覗いてみると、自転車が2台入っています。その奥には台所が見えています。きっとこのドアの上のドアが、玄関だと思います。このような自転車置き場が道に面した家を、幾つか見かけました。
お店のヂスプレイ、日本だって、そりゃあ素敵ですが、ヨーロッパはどこか違います。香港なんて、豪華ですが、なんというか心がくすぐられません。 日曜の早朝です。子供の服屋さんです。手編みの赤いジャケットなんかが、憎いほど可愛い。防犯用にネットのシャッターがガラスの内側に下りていました。でも、目ざとい私は、奥の棚にデンマークのクロスステッチのティーコージーがあるのを見つけました。
ゲルダベングトソンのデザインの物ばかりです。ここからデンマークまで、飛行機で1時間ほどです。こうして刺したものを、売っているのは初めて見ました。あいにく日曜日、午後になってもお店は仕舞ったままでした。
ホテルで、休んでいる家人の横にいるのはつまらないもので、窓の外ばかり眺めていると、 バルコニーの下に秋色あじさいが咲いています。秋色あじさい、香港でも輸入物ばかりですが、こんな寒さの中、街のあちこちに咲いているのです。梅雨を連想する私のあじさい感とは、これまた全く違ったものでした。
運河沿いに停泊する船が見られます。ただ停泊だけでなく、どうも生活の拠点として使っているようです。ゴミ箱を探していた私、うっかり紙くずを入れそうになって、 よく見ると、郵便箱でした。良かった、何にも入れなくて。
町中で充電している車です。ここ、香港でも、日本でもまだこの光景に巡り会いません。きっと、電気自動車の普及率が高いのでしょうね。電気自動車、興味はありますが、まだ、私は燃費の悪い古い今の車で充分です。
短いアムスの滞在でした。こんな短さでは、何一つアムスに付いて語れないことは十分承知しています。25年住んだ香港ですら、同じ事。それでも、空気の匂いが違います。見るものも歴史の重さのあるものばかりです。いろいろあるのは旅につきもの。いい旅でした。