チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

きみしぐれ

2013年07月07日 | 菓子

雨、25度、93%

 小さい頃はあんものが食べれませんでした。白いあんも小豆のあんもダメでした。それなのにきみしぐれだけは喜んで食べていました。なぜだったのでしょうね。

 日本から持ち帰った手亡の白豆。 大納言をやや大きくした白豆にしては小振りな豆です。柔らかく炊いたこの豆を漉しては水に晒し、さらしで絞り上げます。豆柄はなくなりますから、実際の豆の重さよりずっと少なくなるこしあんです。こしあん作りの醍醐味はこの絞り上げるところにあります。さらしを開くと、 さらさらのでんぷん質が。この時、手間暇かけた喜びが胸一杯に拡がります。さあ、後は砂糖を加えて練り上げるだけです。砂糖から出た水分が飛んで、いい艶が出始めると こしあんの出来上がりです。もちろん中に入れる小豆のあんもこしあんでなくては、きみしぐれは美味しくありません。そこで、2日に分けてあん作りをしました。

 きみしぐれは白あんに卵の黄身を混ぜた黄味あんで、小豆のあんを包み蒸し上げて作ります。蒸すのは5分程ですが、その間決して蓋をとりません。うまくひび割れてくれますようにと、蓋をとります。 みんな笑ってるように、ひび割れてくれました。ちょっとしたあんの水気の具合で、割れないことも何度かありました。

 少し冷めたところを、作った人の役得でお口にポイ。もちろんモモさんにも黄味あんをあげました。少し暖かみの残っているきみしぐれを食べたとき、卵の黄身の香りが拡がります。あー、これだわ。あんこが嫌いだった小さい時に、きみしぐれだけは喜んで食べれたのは、この卵の黄身の匂いだったのです。やさしい匂いがします。

 さて、このきみしぐれを持って、今日も飛行機に乗ります。あんこの夢を見るという私の母親に届けます。このひと月、食が細くなっていると施設から連絡がありました。喜んで食べてくれますように。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする