晴、9度、75%
裏庭の真ん中に高さが60センチのローズマリーの木があります。この家で使っていた古い火鉢に植えられています。1年間全く手も掛けませんでした。放ったままでしたが薄紫の花をつけて冬を越しました。雪を被ること3回、薄紫の花をつけたままでした。「丈夫だわ。」と感心します。庭の真ん中、遮るものがないのでお日様を十分に浴びています。伸び放題に伸びている枝を刈ることにしました。
香港でもローズマリーを育てていました。種からはいつも失敗ばかり、苗もいいものが見つかりませんでした。それでも香港を離れる前の3年間は大きな株に成長しました。今料理で使っているドライのローズマリーはこの香港で育てたものです。
ボサボサのローズマリーの枝は切って、ドライにするかお風呂に浮かべるつもりでハサミを持ちました。切っていると耳元で微かに羽音が聞こえます。よく見ると小さなミツバチが幾匹か薄紫の花に頭を突っ込んでいます。 昨年はこの庭のオリーブとトマトそれにレモンの花にミツバチがいるのを見ました。小さな花に群がるミツバチです。
日本ではあまり馴染みのないローズマリーの蜂蜜ですが、ポルトガルでいつも買うお土産の蜂蜜はローズマリーの花のものです。生のローズマリーの強い匂いこそしませんが、ローズマリーの蜂蜜はそこはかとなくハーブの匂いがします。クリーミーな蜂蜜の味を思い出しました。
急に養蜂ができないかと思います。たくさんでなくても私が食べる分だけでも蜜が取れないものかと考えます。と言っても雪の降る福岡です。そんな時、主人から電話がありました。養蜂の話をしましたが、あまり取り合ってはくれません。ローズマリーは挿し枝で増やすことが容易です。切り取ったたくさんの枝をひとまず水につけました。 発根したら土に挿します。どのくらいローズマリーがこの夏増えてくれるでしょうか。ヨーロッパの家の玄関先によく見るローズマリーのブッシュ、魔除けや厄除けの意味もあると聞きます。
庭の小さな生き物から夢がどんどん膨らみます。今日もまたいいお天気です。地面とにらめっこ、空を仰いで木の芽を見ます。また新しい発見があるはずです。