雨、14度、84%
60歳最後のお夕飯は上海料理でした。香港にいる間はできるだけ中華料理を食べたいと思います。朝昼晩、中華料理で大満足。
30年ほど前、香港で有名だった「大上海」という店がありました。幾度か足を運びましたが、お醤油の色がきつく(後にたまり醤油だと知ります。)変に甘いこの店の上海料理には馴染めませんでした。その後、上海に旅して本場の味を知ると広東料理よりもバラエティーに富んではいないものの味付けはあっさりしています。その時、豫園の中にある料理屋で一人お昼ご飯を頼みました。行列ができる小籠包の美味しいお店です。小籠包は16個入り、半分にしてくださいと頼みましたが、出て来たのは16個の小籠包でした。あまりに美味しくて全部食べあげてしまいました。
なまこのスターターに始まりました。 蒸した白なまこが中華だれに漬かっています。日本の酢ナマコと違いコリコリ感はありません。
庶民的な上海料理屋に行くとスターター、冷菜は店の一部に大皿盛りにされ選ぶことができます。そんなお店で食べて以来私が好きなのが、「燻魚」。 川魚を揚げて味付けしたものです。上海ではもっと身の少ない魚です。
お次は、「干豆腐の煮物」 「白菜仔」との炊き合わせです。「金華ハム」で取ったお出汁が美味しい一品です。以前通った上海料理屋では、5月になるとそこの庭に咲く「水君子」の赤い小さな花が「干豆腐の煮物」に散りばめられていました。作る人のセンスが伺われます。
今回のメインは、「松鼠魚のあんかけ」です。二人で一匹を食べますので、全体の皿数を少なくしました。この魚も川のものです。甘酢あんですがさっぱり仕立てられています。松の実がたっぷりかかっていました。松鼠魚の大きさにもよりますが、この一皿でお腹がいっぱいになります。
でも、これを食べなくては、 小籠包です。庶民のお店で食べる小籠包とは違って品のいい小籠包でした。私は中国で食べる小籠包はどこで食べても美味しく思います。
中国人の観光客が多い街中にあるこのお店ですが、広東語しか耳に入らず、昔から変わらぬ落ち着いた店作りの中ゆっくりと食事をとることができました。