曇、14度、77%
今住んでいる家には私が子供の頃からあった家具を残しました。おそらく私よりも歳が上の家具ばかりです。みずめ桜の木で作られたそれらの家具達は、気持ちに馴染むものばかりです。
この家に住むに当たって、買い足した家具もありました。居間のテーブル、ゆったりと6人が座れる大きさにしました。座敷をフローリングに変えたので、そこに置くソファー。全てみずめ桜の材で作ってもらいました。
居間のテーブルの周りに以前からある袖付きのラダーバックチェアーを4脚おきました。両サイドには袖なしの同じラダーバックチェアーです。この椅子は座面がラッシーという草で編まれたタイプです。袖がありますので、テーブルの下にすっぽりと収まりません。部屋が手狭に感じます。椅子を引くときには、重さを感じます。この家に戻って来て1年、考えた挙句にこの袖付きの椅子を4脚とも手放すことにしました。新たに袖なしの椅子を4脚求めました。 新しい椅子も同じ材です。使わないときはテーブルに収まります。デザインも昔のものよりスッキリしているので、部屋が軽い感じに変わりました。ただ、重さはやや軽くなった程度です。
一年一回り、四季を生活してみると家の不備なところが見えて来ます。古い日本家屋ですから、できるだけ明るく住みたいと思います。その上、住む私たちの年齢も考えて空間と軽さを求めました。たかだか椅子を手放しただけですが、この家にずっとあったものです。心のどこかが痛みます。
先日、遠方より友人がみえました。袖付き椅子を引き取ってもらったすぐ後でした。我が家の居間には、袖なし椅子2脚のみ。広いテーブルに2脚の椅子でお迎えしました。長年のものを手放す痛みを感じましたが、部屋だけでなく、私の心が軽くなったように思います。季節も変わります。私たちの年齢もかさみます。身の回りを軽くすることは大事なことだと気付かされました。暖かな季節に向けて、家も心も軽くなりました。