チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「巨匠たちのクレパス画展」 損保ジャパン日本興亜美術館

2018年08月11日 | 日々のこと

晴、27度、89%

 クレパス画の展覧会、しかも100名を越す日本の有名な画家が描いたものを集めたものです。そう聞いただけでワクワクします。戦時中、絵の具が配給がなくなったおり代用として使われたというクレパスです。クレパスは私たち世代でも小さい頃初めて手にした絵を描く道具です。匂いや紙においた時の感触までも覚えています。

 巨匠たちと銘打っているほどですから、錚々たる面々です。岡本太郎、梅原龍三郎、今話題の熊谷守一、山下清。仏壇を始末した後に父母に贈ったリトグラフの三岸節子。高校の大大先輩の中村研一。もちろん一眼でその人が描いたものとわかるものもありますが、クレパスという道具が違うだけで全く違う画家の顔が見えてきます。

 損保ジャパンの美術館は西新宿の高層ビルにあります。「ブラマンク」を見にきて以来ですから十年ほどぶりでしょうか。「東郷青美術館」と以前は呼ばれていたように記憶します。こじんまりとした空間です。今回の絵はサクラアートミュージーアムが所蔵する作品が大半でした。

 岡本太郎のタッチの強さはクレパスで一層躍動感をつけています。梅原龍三郎は色のコントラストがこの人のものとわかります。熊谷守一は簡素な線と面で裸婦を描いています。山下清の「花火」は一見子供の絵のようですがその線一つ一つ、花火の様子に見入ってしまいます。

 館内子供連れが多いかと思いましたが、人が疎らでゆっくりと楽しめました。最近はどこの美術館のその展示のあったショップが出ています。グッズという類には興味がないのですが、クレパスがたくさん売られています。学生時代に立原道造、串田孫一の本を読むたびに欲しいと思っていたクレパスです。街中では見られない角柱のクレパスがありました。50色、自分の気持ちに弾みをつけるように、この一揃いを求めました。 何十年来の欲しかった物です。

 主人の誕生祝いにかこつけて、本当は「縄文」とこのクレパスの絵を見にやって来ました。いつもながら時間を計っての美術館回りですが、見終えた後は胸の中に空を一つ抱えたような気持ちになりました。

 

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