晴、30度、83%
お盆に入る前にお墓の掃除を済ませました。私の実家のお寺の駐車場はいつもいっぱいです。朝7時過ぎにお寺に着いたのに、空いている駐車スペースはたった一つ。小さい時からお盆、お彼岸、年末と私にとってはここがお墓でお寺です。福岡の繁華街にあります。しばらく来なかったのでお墓の向こうの土地に高いビルが建ち始めていました。
いつものようにお墓掃除を始めます。 お線香立てに何かが種から芽吹いています。このお墓のすぐ脇には保護樹に指定されているクスノキがあり、鳥たちが羽を休めます。何かの種を落としたのでしょう。いつもなら、お墓掃除をすると清々しい気持ちになりますが、昨日は気が重い。何故だろうと考えれば、思い当たることがありました。このお墓を片付けることに早晩手を付けなくてはなりません。「墓仕舞い」です。主人の家のお墓、私の家のお墓、2つのお墓の管理は遠くに住む息子家族には無理なことです。重い気持ちのまま、西の山にある主人の実家の墓地を目指しました。
青田の中を走るのは心地よく、幾分気も晴れて来ます。博多湾を見下ろすこの霊園にもお墓掃除の方が次々に車でやって来ます。そう言えば昨年は義母、息子家族、主人も一緒に参ったことを思い出しました。大人数での移動だと 朝早くからと心算にしても予定通りには動きません。私の実家のお寺でも車が長く列を作っていました。この霊園ですら停めるスペースがほとんどありませんでした。いろいろな思いが心を過ぎるお墓掃除です。
2つのお墓の掃除を済ませ、主人の実家に向かいます。お提灯やお供え物の準備です。義母が足は不自由ながらも元気でいてくれることが唯一の気の休まりです。
お昼過ぎ家に戻りました。数ヶ月前に私の実家のこの家のお仏壇は始末しました。それでもお盆の準備をします。お花を飾ります。棚上には毎朝お水をあげます。父母の好きだった果物もそれとなく供えます。そして玄関の外にはモモさんのためにこさえたお提灯を掛けました。このお提灯を見ながら、心の中では父母、祖父母、モモさんや昔の犬たちを思います。そして、「これでいい、これでいい。仏壇やお墓という形は無くなっても、心の中で思うことでいいんだ。」と自分に言い聞かせました。