雨、22度、91%
このところ毎朝、小さな「カンパニュー」を焼いています。「ライ麦粉」や「ホールウィート」を加えたこのパンは同じハードブレッドの「バゲット」より素朴な味わいです。粉とほぼ同じ量の水を加えて作ります。中はしっとりと重めのパンが仕上がります。画家の「モネ」は食通でも名が知れています。「モネ」が「カンパニュー」を食べる時、「噛み締めて食べる、歯を磨くようなパン。」と言ったそうです。確かに噛み締めると小麦粉の命が感じられるような滋味深いパンです。食事にも甘いジャムにも合うパンです。
「バゲット」を焼いた朝は「胡桃オイル」を必ず添えます。淡白な「バゲット」にはナッツの香りが高くクセのない「胡桃オイル」がほんのり甘さをプラスしてくれます。同じ感覚で「カンパニュー」に「胡桃オイル」をつけました。「胡桃オイル」の香りも味も消えています。「ライ麦粉」の持つ酸味、クセのある香りが優しい「胡桃オイル」を邪魔しています。そこで、「オリーブオイル」「へーゼルナッツのオイル」と試しましたが「カンパニュー」の方が強すぎて美味しいと感じません。ところが「バター」だとどうでしょう、見事にお互いの美味さが口に広がります。「ライ麦粉」の酸味も薄らぎます。「バター」の濃厚さが全てを包んでくれます。
「カンパニュー」は「田舎パン」です。「バターナイフ」もいつもの金属のものではなく、「白木のバターナイフ」を添えました。 この白木、材はなんでしょうか?私の元に来てそろそろ50年は経ちます。結婚して直ぐに求めた「バターナイフ」です。「バター」が染みて先の部分は薄茶になりました。軽くて、形が綺麗な「バターナイフ」です。求めた当時は今のように木製の食器を作る作家がいた記憶はありません。お金のない頃買ったものですから、そんなに高い品ではなかったはずです。買った場所を思い出せないでいます。
求めた時は息子も生まれていたのですが、二本です。主人と私用のつもりだったのでしょう。木製のスプーンもフォークもナイフも口に運ぶ、食卓に乗せるとテーブルの雰囲気が変わることに気づきます。暖かく柔らかな空気です。使い続けるものとはこういうものなんでしょう。
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