チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

Oh,William! エリザベス・ストラウト

2022年09月29日 | 

曇、22度、84%

 エリザベス・ストラウト、アメリカの作家です。「私の名前はルーシー・バートン」「オリーブ・ギタリッジの生活」など、翻訳本が日本でも出ています。ほぼ同じ歳のエリザベスの書くものは、身近な題材ですぐにその世界に入っていくことが出来ます。

 「おー、ウィリアム!」はまだ翻訳されていません。主人公ルーシー・バートンが前夫であるウィリアムのことを書いた作品です。ルーシーとウィリアムは大学卒業後結婚し二人の女の子に恵まれます。ところがルーシーが子供を置いて家を出て離婚、ルシーはデビットと再婚し、今は死別しています。ウィリアムはルーシーと別れた後、2度再婚し、この物語の中で3度目の妻が家を出て行きます。

 この辺りまではアメリカによくある話でした。ルーシーとウィリアムは子供もありますから離婚後は友人関係です。ウィリアムは3度目の離婚後、自分の母親の生涯に新しい発見がありました。キャサリーン、つまりルーシーにとっては元義母です。

 キャサリーンは再婚でウィリアムを設けます。ウィリアムはそのキャサリーンが前夫との間に女の子があり置いて家を出たことを知ります。つまり、ウィリアムの姉です。その見知らぬ姉に会いに行こうと、ルーシーに付き添いを頼みます。自分の知らない姉に会うのが怖いと思うウィリアムです。実際にその姉と会って話をしたのはルーシーでした。そこで、義母キャサリーンの生まれ、育ちを聞かされます。ルーシーは初めて聞く驚きの義母の生まれでした。キャサリーンはルーシーがウィリアムと結婚した時は、優雅な豊かな生活を送っていました。キャサリーンは病気になり見送ったのはルーシーです。

 亡き義母キャサリーンの出生地をウィリアムと訪れます。そこに見たものは、家とは言えないような小さな建物でした。極貧、家庭環境の悪い出身のキャサリーンだったとは、ウィリアムですら知らないことでした。驚きと虚しさに落ち込むウィリアムです。

 このキャサリーンの生い立ちにルーシーが自分と重ね合わせルところからが、作者エリザベスのこの本の着眼点だと思います。軽い話のつもりで読み進めていたのですが・ルーシーが義母と自分を重ね合わせ始めるところからは実に読み応えがありました。

 ルーシーが主人公の「私の名前はルーシー・バートン」はまだ読んでいません。10月にはルーシーのその後を書いた新刊も出ます。この2冊が送られてくるのを待っている最中です。


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