曇、6度、76%
脂ののった鯖をこの冬はたくさん食べることができました。美味しい時期はもう直ぐ終わります。対馬沖で獲れた鯖が店に並んでいました。「お刺身に出来ます?」「ああいいよ。」「いえ、そのままもらって行きます。」大き過ぎず小さ過ぎず、私が思う一番いいサイズです。お刺身にできるほど新鮮な鯖を「しめさば」にするつもりです。お腹も出さずに買って来たのはそのためです。内臓を見て、その新鮮さを確かめるためです。匂いも肝心、締まった肝臓や肺、血の色、この鯖なら大丈夫と三枚に下ろしました。
三枚におろした鯖にたっぷりの塩を身に振ります。 このまま40分ほど冷蔵庫に。塩が湿って溶け始める頃合いを見ます。軽く塩を払い、「酢水」ですっかり塩を洗い流します。「水」でなく「酢水」を使うことで次に浸す酢が入り易くなるそうです。洗った鯖に昆布をのせて、 酢に浸けます。ひたひたの酢に浸けるとたくさんの酢を使うので、ペーパータオルをかぶせることで酢の量を減らすことが出来ます。このまま冷蔵庫で40分、途中身を裏返します。
酢から引き上げた鯖の皮を引き、身の中央に並ぶ小骨を毛抜きで抜きます。 これで出来上がりです。鯖の皮を引いた後の艶と青々しさが美味しさを表しています。
このまま食べれます。最近「アニサキス」の中毒を耳にします。目でも見える回虫ですが、身の中に入り込むそうです。そこで炙ることにしました。炙るのは、「アニサキス」対策ばかりではありません。炙ることで脂の乗った魚をより美味しく食べることができます。オーブン、オーブントースターでも炙りは出来ます。私は「トーチバーナー」を使います。 魚の炙り、「ブリュレ」などの菓子作りにガスボンベに付けて使える「トーチバーナー」は便利です。 網に乗せて火を当てると、皮からの香ばしい香りと脂が滴ります。酢の香りがありますから焼き鯖の匂いとはまた違います。これで「しめさば」の炙りの完成。ほんの2時間ほどの作業です。
火を入れますので身が柔らかくなります。少し時間をおいたほうが、包丁が綺麗に入ります。 炙り「しめさば」に酢飯を詰めれば「鯖寿司」も出来ますがそのまま食べることにしました。わさび、お醤油、柑橘醤油、胡麻を振っても美味しいのですが、どうかそのまま一口召し上がってください。新鮮な鯖、いい塩、まろやかな「米酢」この3つが「しめさば」の命です。炙ることでより脂の美味しさを感じつつ、「米酢」の持つ甘みが口に広がります。
塩で締めて、酢で締める、鮮度を保ちつつ炙ることでより美味しくなると思います。お店で三枚に下ろしてもらうと難しい作業ではありません。パック入りの「しめさば」よりも美味しいと感じると思います。
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