曇、5度、68%
シフォンケーキを焼き始めて40年近くになります。当時はまだ馴染みのないケーキで「シフォンケーキ」のあの型をやっと合羽橋で見つけた時は大喜びでした。以来「シフォン型」は錆びたり、サイズが大き過ぎたりといくつか買い換えてきました。この数ヶ月、一つ疑問が。「シフォンケーキはこの型でなくては焼けないのかしら?」シフォン型の特徴は筒があることでケーキへの熱の入りが良くなります。焼成後の縮みを防ぐために逆さまにして冷却するので滑り落ちないように型には油を塗りません。冷めたらナイフを回して剥ぎとります。そのためには、型はつるんと凸凹があっては取れません。考えられたシフォン型です。理屈は理解していますが、どうしても「クグロフ型」でシフォンケーキを焼きたくなりました。
どっしりと重たい「クグロフ」の生地を焼くのですら、この型はカーブがあるのでうまく取れないことがあります。油を塗ることは必須です。時には油の上に粉を叩きます。油を塗れば逆さまにできないので、縮みが出ます。でも、普段通りのレシピで「クグロフ型」でシフォンケーキを焼いてみました。私のシフォンケーキのレシピは最近更新されてオイルを使わずホワイトチョコレートで油分を補います。膨らますためのベーキングパウダーなどは使いません。生地を持ち上げる力は卵白の力だけです。
問題は縮みを防ぐ方法でした。香港に「紙包」という庶民の菓子があります。小さなパン屋のショーケースに紙に包まれてケーキが横倒しにされて売られています。この「紙包」はシフォンケーキのような軽いケーキです。そこで焼き上がった「クグロフ型」入りシフォンケーキを横倒しにして冷ましました。結果、見事に成功です。縮むことはありませんでした。 キメもご覧の通りシフォンそのもの。
重いパウンドケーキなども生地を軽くする試みをしています。型だって、決まり切ったものではつまりません。今回試しですので、小さい型で焼きました。あっという間に一切れ残すのみ。 大きい型で挑戦してみます。
ケーキの小型化、私の年齢とともにたくさん食べれて軽いケーキへと、レシピも変化しています。ビーガンケーキにも興味はありますが、バターやミルクの美味しさは捨てがたく、どの辺りで折り合いをつけるかが問題です。お菓子作りを始めた頃、いつまでも作り続けたいと思いました。お家の菓子です。私が食べるためのお菓子です。
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