雨、8度、85%
数十年ぶりに主人と柳川へ足を運びました。福岡から電車で1時間足らず、車でも2時間かからずに行くことのできる水郷の町です。北原白秋や数々の文人、政界人を輩出した土地でもあります。地の利ゆえに海と水路の行き合う町ですので、うなぎや海苔の養殖でも有名です。
私は小さい時からうなぎを食べるといえば、今と違って田舎道を父が車を飛ばしてこの柳川に来ました。また義父の生まれ故郷です。主人が仕事が入っていない日曜日、今回の帰国前から柳川へ行こうと決めていたそうです。福岡市より南ですが、地元の方も寒いと言われる海風の吹く昨日でした。
こじんまりとした綺麗な町です。一時は韓国からの観光客が押し寄せて来ていたと聞きます。町に張り巡らした水路では「川下り」が楽しめます。激流を下るのではなく、街中の穏やかな流れを巡ります。 寒くても船には掘り炬燵があり観光で訪れた人を次々に乗せて巡ります。橋をくぐる時が圧巻、乗客は皆頭を下げ、船頭さんは、 ひょいと橋を渡って、船に飛び降ります。
小さい頃から幾度も乗ったこの「川下り」、橋底が見えるのが楽しみでした。町を歩いてみたいという主人、もちろんお目当ては「うなぎのせいろ蒸し」です。元藩主屋敷は「お花屋敷」と呼ばれ観光名所になっています。その周りをめぐる水路沿いには昔から有名なうなぎを食べさせる店が並んでいます。主人の家と私の家では贔屓の店が違いました。蒲焼きにしたうなぎをご飯を詰めたせいろの上に乗せて蒸したものが「せいろ蒸し」です。 うなぎの下にはタレを吸ったご飯が詰まっています。私が懐かしかったのは「せいろ蒸し」より「肝吸い」でした。 福岡市内の有名なウナギ店で食べてもこの「肝吸い」のお味が今ひとつ、懐かしい味に満足します。「せいろ蒸し」はうなぎは美味しかったのですがご飯の甘辛さにやや閉口しました。
お雛祭りの前です。この街の有名な雛飾り「つるしもん」の展示も見ることができました。 水路周りをゆっくりと歩けば漁師町でもありますから、 面白い仕掛け網なども目に止まります。久しぶりに主人とゆっくりと歩きました。ココさんを長いこと家で待たせています。遅くならないうち急ぎ帰宅しました。
大人になると味覚も変わるものかもしれません。それでも懐かしい「うなぎのせいろ蒸し」「肝吸い」を食べ、のどかな町を散策できた楽しい一日でした。
私は以前鰻がちょっと苦手でした。
柳川を含めて福岡の鰻は甘ったるいお味でしょう。
ところが数年前、東京銀座の飛び込みで入ったうなぎ屋さんのお味があっさりしていて大好きになりました。
今では、上京したら鰻が食べれると、楽しみになっています。
麻布に本店がある野田岩です。
蒲焼きですら甘い、家では蒲焼のタレをお酒と水で全部拭い酒蒸しにします。これもあっさりと柔らかくいただけます。