毎年、楽しみにしている、根津美術館の庭園の燕子花が咲く頃に光琳の燕子花図屏風を観ること。早速、行ってきましたよ。すでに速報したように(笑)、カキツバタは、ぼくがこれまで観たことがないような咲きっぷりで、大満足。屏風のカキツバタの方は、”年年歳歳花相似たり”だけれども、庭園のカキツバタはそうはいかない。その年の植物の状態により、また、訪ねる日により、”変幻自在”で、なかなかぴたりといかないものだ。
で、今日の感想文は、絵のことよりも、まず、庭のカキツバタの感想から入ろうかと思う(笑)。そうそう、展覧会では、応挙の藤花図屏風も並んで展示されていたが、庭園の藤花も、まだまだ見頃でよかったあ。
すばらしき庭のカキツバタ。こんなに全面に、それも揃って咲いているのは、はじめて観た!
5月2日の咲きっぷり。
奥の方の、小舟のある池のも。池に映る姿は屏風の燕子花みたい。
カキツバタを見下ろすように棚の藤花も。応挙の藤花みたい。
これだけみて、帰ったって、入場料、惜しくないくらいなのに、国宝と重文の両屏風まで見せてもらえる。
今日、図書館で、おいしい寿司屋さんの記事につられて、サライを読んでたら、 結城昌子さんの連載”日本美術の技”に燕子花図が取り上げられていた。この絵には天然の鉱物である、孔雀石からの緑青の岩絵の具、そして、藍銅鉱からの群青が使われている。西洋では希少な鉱物、ラピスカズリからつくられたブルーは、金より高貴な色彩といわれているが、日本画に使われる岩絵の具も鉱物由来で、”神の色”といってよい、と述べている。とくに緑青と群青は代表格で、金屏風に、この二色がふんだんに使われている燕子花図は、特別な輝きをもっているという。なるほどと思う。
藤花図屏風の、藤の幹は、ほとんど一筆で描かれたようだ。一方、藤花は、白色の上に、青と紫がていねいに重ねられ、いい色を出し、また、ふっくらした立体感も感じることができる。応挙の代表作という。
さらに、その上、同じ部屋には、宗達一派の”四季草花図屏風”や鈴木基一の”夏秋渓流図屏風”まで飾ってあるんだから堪えられませんね。この日、帰宅すると、ちょうど”ぶら美”でこの展覧会のことをやっ”ていた。そのときの映像から、これらの屏風をおみせしましょう。
四季草花図屏風(伊年印)。百花繚乱、すばらしい。70種の草花が描かれているそうですよ。
鈴木基一の”夏秋渓流図屏風”。ぼくの好きな山百合も多く、そして緑のウメノキゴケが無数に描きこまれているのもいい。青い川の流れも斬新、”若笹模様”も面白いし、それに、どういうわけか、たった一匹の蝉がじーじー鳴いているのも面白い。
さらに、さらに、展示室5では、秋草の壺と酒器/秋山コレクション。ぼく好みの徳利と盃がいっぱい(汗)。そのあと、つい蕎麦屋でいっぱい(大汗)。
写真は、朝鮮時代の染付秋草文壺だけですが。
すばらしい根津美術館でしたよ。
今日は菖蒲湯も入ったし、あとは世界卓球の決勝をみようと思ったのに、生放送なし!決勝に進むはずがないと思ていたのか!おい、テレビ東京 でも、ネットでライブ配信はあるみたい。
(追記)な、ななんと、テレビも、急遽、生放送と決定!!!サンクス、テレビ東京