先週の水曜日、箱根のツツジも見頃になったしと、満を持して(笑)、歌麿の大作”深川の雪”を観に行って来ました。小涌谷の岡田美術館は今回で二度目。この日は開館時間に合わせて到着。先頭グループでいきなり2階の特別展示室へ。
フロアーの自動ドアが開いたとたん、ポスターやテレビなどで、見慣れたあの幻の歌麿大画が目に飛び込んでくる。大きい。桁違いに大きい、それが第一印象。何と約2m×3.4mの大掛け軸。それだけで度肝を抜かれてしまう。
どんな大きいかというと、館内では写真が撮れないので、以前、観たテレビ画像をお見せします。これは、NHK歴史秘話ヒストリア”世紀の大発見 歌麿の雪月花のうち深川の雪”から。ながらく行方不明であった、大掛け軸を拡げるの図。
(NHK歴史秘話ヒストリアより)
2012年、東京で再発見された。表装はご覧の通り、くたびれていたが、画面の色彩は鮮やかに保たれていた。これを岡田美術館が購入、表装を新たにし、今年4月4日より6月30日まで公開することになったのだ。
では、全部、拡げた姿を図録の写真から。
舞台は江戸随一の芸者の町、深川。大きな料亭の冬のある日。辰巳芸者(深川が江戸の辰巳の方角にあったためそう呼ばれた)が色とりどりの着物をきて、様々な姿態をみせている。雪を眺める人、飲食準備をする人、火鉢を囲む人、拳の遊びをする人、化粧する人、三味線を弾く人、など様々な姿態の女性が26人、子供一人と猫1匹(笑)。
まず、全体を眺め、そして部分部分を眺め、さらに細かく、中庭の雪景色にも目がゆく。横にタブレットがあり、操作すると、大きな絵を分割して、それぞれの場面を説明してくれる。この”深川の雪”の図録もあり、同様な説明がある。以下、図録の写真で紹介します。では、少し、分割して観てみましょう。
左画面の一部。お化粧する人、雪を眺める人
右画面(一部)。通い夜具を運ぶ人(深川芸者は、客と枕を共にすることもあるという)、火鉢を囲む人。
雪は梅、松(そして竹にも)かかっている。スズメが二羽。水墨画は”富士・三保の図”お銚子、鉢の中は百合根、とこぶし、インゲン、ヒラメの煮物。右端のお料理は、かまぼこ、八頭、からすみ、きんとん、蕎麦。
食器類、猫、紙入れ、火鉢、やかん等。
きれいなお姉さん一覧
これは、歌麿、雪月花三部作の一つで、栃木(豪商善野家)で描いた晩年の作。江戸幕府の政策に抵抗し続けた歌麿のラストメッセージという。じーんと来ますね。
あとの二つは、両方とも現在、アメリカ在住。”品川の月”と”吉原の花”。これらの大型写真も並べて展示されている。
品川の月
吉原の花
加えて、特別展示”日本の美人画”、22点の中に歌麿の”三美人図”と”芸舞妓図”の二幅の掛軸も観ることができる。
三美人図
芸妓図
常設展も、もちろん観てきましたよ。二度目だけど、北宋如窯の青磁鉢など盛り沢山の展示品をあきるほど(飽きませんが)観てきました。前回の感想文はこちら。
あの日は、山のホテルのツツジと富士も観ることも出来たし、とてつもなく素晴らしき一日だった。