気ままに

大船での気ままな生活日誌

さくら貝の歌 由比ヶ浜の歌碑

2014-05-31 18:28:30 | Weblog

前日の”八洲秀章生誕百年コンサート”で、”さくら貝の歌”の歌碑が由比ヶ浜にあることを知った。次男でミュージカルスターの沢木順さんが、冗談ぽく、歌碑が建って以来、浜辺にさくら貝が復活してきたらしいですよ、とも言っていたので、ほんとにそうかもしれないと、暑い中、出掛けた(汗)。

鎌倉駅を降りて、若宮大路を浜に向かって歩いている間、コンサートのことを思い出していた。そういえば、うちの親父も生きていれば、大正6年生まれだから、八洲さんより二つ下の98歳だ、ということは、沢木順さんも、ぼくと同じ世代だ。あの声、あの身のこなし、あの頭の回転の速さ、とても70歳を目前にしている歳にはみえない。どうみても10歳は若い。負けてはいられないぞ、と、どうみても59歳くらいの早足で歩いた。ただ、くちずさんでいた歌は親父の愛唱歌の一つだった、八洲秀章作曲の”山のけむり”だった。

若宮大路が由比ヶ浜にぶつかったところ、その左側にその碑はあった。制作は平成24年12月とあるから、まだ1年半。ぼくは、このコースで由比ヶ浜に入ることが少ないので、今回、はじめてみることになる。ピッカピッカの新しい歌碑だった。片面に歌碑設立の趣旨が以下のように記述されていた。

昭和14年頃の由比ヶ浜はまるでさくら貝の絨毯といわれるほど美しい浜辺だった。その風景を八洲秀章が短歌に詠んだ。わが恋の如く悲しやさくら貝 かたひらのみのさみしくありて この歌を基に、土屋花情が作詞し、本人が作曲した。もちろん、この名曲を讃えることが主な目的だが、文面には、環境保全とさくら貝の復活を願って建立したものとある。

碑文

反対側に廻ると、”さくら貝の歌”の歌詞と譜面が刻まれている。

歌碑の向こうに由比ヶ浜が拡がっている。

浜に下りてみる。

さくら貝を探してみた。残念ながら、みつからなかった(笑)。

きっと、そのうち、さくら貝の絨毯とまでいかないまでも、容易に目にすることができる日がやって来るだろう。

 

 

 

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一原有徳 1910-2010 版/無限の可能性

2014-05-31 06:36:21 | Weblog

版画家、一原有徳は1910年に生まれ、100年生きて、2010年に、100歳で天寿を全うした。で、今回の展覧会タイトルは”一原有徳 1910-2010”なのだ。だからと言って、0歳から100歳までの作品が展示されているというわけではなく、1959年(49歳)の作が最初である。なんと、50近くから銅板プレス機を購入し、制作を始めたのだ。

17歳で小樽の郵便局に務めはじめ、60歳の定年まで43年間、勤め上げている。その間、18歳頃から俳句をはじめ、九糸郎の俳号をもつ。さらに、登山家であり、小説家でもある。多芸多才なのである。本格的な版画制作は定年後だから、これは、いってみれば第二の人生の”仕事”。まるで、隠居後に日本地図つくりをした伊能 忠敬みたい(笑)。

一原の版画はモノタイプが原則。石板や各種金属の表面を叩き、梳り、腐食させ版として、通常、ひとつの色を置き、写し取る、一回勝負の作品。デカルコマニーもその一種だが、それよりは意識的だが、絵筆で描く抽象画とは随分違う印象を受ける。

色は基本的にモノクロームで、黒とブルーがメイン、あれ二見彰一(1932~)の版画と似ているな、と思っていたら、彼と交友があり、この展覧会にも彼に寄贈された一原作品が展示されている。

画題はほとんどついていないと同様で、記号のようなものばかり。作家の意思が示されていないから、観る人の自由で、何を感じても、思ってもいい。一原もそう思っているふしがある。で、ぼくも、こいつは、隕石みたいだな、とか音楽隊だ、おたまじゃくしだ、雨だれだ、水しぶきだ、腸の中だんべか、かたつむりずら、とかいろんなことを想像して回ったら、相当時間が経ってしまった。

面白くない美術はない、と改めて思った次第。

では、みなさん、これは何に見えますか?ぼくのつけた画題を添付しましたので、参考にしてください(笑)

白孔雀(羽根を拡げたところ)

野毛動物園の白孔雀

波濤

かたつむり

箱根のホテルの庭でみたかたつむり

サーカス岩石 筑波山にもこんない岩石があったような気がする

地層

ふたりの裸婦

人影

海上の月影

船上からみたオホーツク海の月の影

そうそう、一原有徳は石や各種金属板を使っているが、それぞれにこんな印象をもっているようです。

石:もっとも自由なことはもっとも不自由なことである。
鉄:登っても登っても終わりのない岸壁
アルミニウム:叱ったり、だましたりしても言うことを聞かない悪妻がお世辞ひとつで笑顔をみせるようになる。だが、彼女のつくった料理はいつも塩辛い。
亜鉛:真実につきあっているつもりなのに、いつも裏切りをする友人。

さすが、小説家でもあるので、面白いたとえですね。
面白い展覧会だった。昨夕の落語会も面白かったデス。

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