年末のフラワーセンター、ごらんください、いつもは人であふれている芝生の広場。本当に誰もいない。歌の文句じゃないけれど、今はもう秋年末、誰もいない海広場。パンジーだけがひっそりと。こんな光景は、生まれてはじめて。平日の、誰もが忙しい年末の、それも曇天の午後、のんびり植物園に遊びに来る人なんていないかもしれない。でも逆にいえば、こんな静かな植物園をぶらり散策できる幸運。幸せいっぱい、胸おいっぱいです。もう一度、今年の最終日に行きたい。
でも、バラ園まで来たら、なななんと、お仲間がいた。こちらは、写生グループだった。薔薇もまだ、随分咲いていた。本当に四季薔薇だ。とくに、”うらら”という赤いバラがとても元気そうだった。♪うららうららうらうらこの世は私のためにある見ててごらんこの私 今にのるは玉の輿みがきかけたこの身体そうなる値打ちがあるはずよ♪ たしかにリンダちゃんみたいだった。この前、テレビでみたけど、みがきかけたこの身体、変わらないね。でも、玉の輿にのったんだっけ?
うらら
冬桜が満開。群馬県、三波の出身で地元のは天燃記念物になってるらしい。三波石の処かな。三波春夫といえば、俵星玄蕃、赤垣源蔵と忠臣蔵関係が多いな、でもやっぱり、チャンチキおけさ、が一番。♪国をでるときもってきた大きな夢を盃にそっと浮かべてもらすため息チャンチキおけさ おけさ涙で曇る月♪ あの頃の日本人はみな大きな夢をもっていた。
その横の大島桜。倒れても、懸命に生きてる様は、胸をうつ。免疫学の権威、多田富雄さんを想う。脳梗塞で倒れ、半身不随になり、それでも、お能の創作や文筆活動を亡くなるまでつづけた。随筆集”寡黙なる巨人”で小林秀雄賞が授与され、平成の”病床六尺”と讃えられた。大島桜の幹に、枯れ枝によくつく、腐朽菌の種類がいっぱいついていた。かゆいだろうと思って、いくつかはがしてやった。
椿園では、いくつかの品種が花開いていた。山茶花の血の入った寒椿は大分前から咲いていたが、花ごとぼとりと落ちる椿は今日、はじめて咲いているのを観た。
資料展示室ではこんな展覧会があった。次々とわが人類によって滅ぼされていく植物たち。絵をみて、かわいそうに思った。ホモ・サピエンスの意味は”知恵のある人”だという。聞いてあきれる。知恵のない人と学名を変えてほしい。アホ・バカボンスが適当だろう。
ぼくの愛人、ひねまる子ちゃん(枝垂れエンジュ)は、お正月前に美容師さんにきれいにしてもらっていた。こんど来るときは、葉を全部落とした、全裸のくねくねした身体をみせてもらえるだろう。楽しみだ。