マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

鉱石の標本

2008-10-29 | Weblog


この標本は亡くなった父が子供のころから大切にしていたものです。
尋常学校の生徒のための標本のようです。
茶色になった大丸のシールに60円という字が見えます。
生きていれば82歳。
後年、金属精錬の技師になった父が子供の頃、
どんな気持ちでこの鉱物の一つ一つを見ていたのか、
今となっては知る由もありませんが…

「地球を大切に」とか「環境を守ろう」と声高に言いながら、
学校教育で「地学」は軽視されています。
地球とはどういう存在か、環境とはどういうことか
「気分」ではなく科学的にとらえるためにも、
義務教育時代に「地学」の基礎をしっかり学ぶことが大切ではないかと思うのですが。



箱の蓋の裏の落書きはたぶん標本の中ほどにある黒鉛で書いたのでしょう。
標本の解説文は例えば次のようなものです。

Ⅱ尋常第5學年用鑛物
『14 無煙炭 
 古代ノ植物ノ化セルモノ。色ハ漆ノ如クシ。石炭ノ最上燃料トス。』
『19 閃亞鉛鑛物 
 方鉛鑛ニ似タレドモ稍褐色ヲ帯ブ。亞鉛ト硫黄ヨリ成リ亞鉛ヲ製ス。』

Ⅲ尋常第6學年用鑛物
『26 玄武岩 
 火成岩。緻密ナル灰色ノ岩石。兵庫縣ノ玄武洞ノモノハ名高シ。』

昔の子供は難しい文を読んだんだなー。


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『風の影』 

2008-10-27 | book
『風の影』
カルロス ルイス サフォン著  木村裕美 翻訳
2006年 集英社文庫 上下
    http://bunko.shueisha.co.jp/kaze/

 10歳の少年がふと手にした1冊の本、
その本の謎を追い少年は、暗く深い人間社会の闇の中に足を踏み入れていきます。
舞台はバルセロナ、
人々をずたずたにした内戦は終わろうとしていました。
第2次世界大戦では中立を保つスペインですが、
独裁者フランコが亡くなるまで続く長い独裁政治のはじまりでした。
物語は幾重にも重なって交差し「入れ子」のようになっています。
登場人物の数も膨大ですが、どの人物も欠かすことができない役回りを持っています。
主人公の少年と一緒にハラハラドキドキしながら謎を追いかけるうち、一気にラストへ。
物語の楽しさを存分に味あわせてくれました。

作者はこの小説を書く前は「霧の王子」など、児童書を書いていたそうですが、
残念ながら、今のところ「風の影」以外日本では翻訳されていないようです。
「風の影」の続編「天使のゲーム」が待ち遠しいです。

翻訳者の木村裕美の解説によるバルセロナの案内地図が
上記のサイトで見られます。
立ち読みもできます。
物語の余韻に浸りながら、PCでバルセロナの写真を見ながら、
世界は深いなー単純ではないなーと思いました。
そして、知らないことばかり!
スペインの内戦のことだって何も知りません。
でも、知らないということは、知りたいことがいっぱいあるというとで、
とても楽しいことだと思いました。
物語や、音楽や絵画が私の教科書です。




 
 
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センダンの実

2008-10-22 | Weblog

御陰橋の袂のセンダンの実が膨らんできました。
とてもきれいな黄緑色で、ぴかぴか光っています。

まだ固くて青臭い実をがりがり削るとちょっと変わった形の種が出てきます。

その種をナイフで切ると5弁の花のような、星のような、オクラみたいです。

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京福電車「叡電」

2008-10-20 | Weblog
京福電車「叡電」は1両か2両編成の小さな電車です。
(嵯峨野方面には「嵐電」が走っています。)

出町柳と鞍馬・八瀬を往復しているのは通称「叡電・えいでん」
短い距離ですが、住宅街を抜けて、山の麓を走り、
小さな駅に着くと、旅をしている気分になります。

ところで、京福電車は当初、京都と福井を結ぶ予定だったので、
「京福」と名づけられたそうです。
社長の夢だったとも聞きました。
出町柳から、八瀬、大原を通り、
朽木を通り、安曇川に沿って琵琶湖へ抜け、
琵琶湖沿いに北上して、日本海へ、というような道筋、
を考えていたかどうかは全く分かりませんが、
あれこれ想像してみるのは楽しいものです。



写真は「叡電」沿いのいっぷく所、
いつも通りかかる時は、近所の人が座って、
たばこを吸いながら、おしゃべりしていますが、
珍しく誰もいなかったので写真に撮りました。

ここにベンチを置きたくなって、灰皿を置きたくなって、
のんびりおしゃべりしたくなったのは、
ここに1本の木があるから…かもしれません!


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みのむしや~い

2008-10-17 | Weblog


疎水べりのソメイヨシノは、3分の一くらい葉を落としています。
残った緑や赤や茶色の葉が美しい!

「あっ、ミノムシ」と思ってよく見たら、枯葉でした。

10年くらい前から気になっているのですが、
公園の木にも、街路樹にも、庭の木にも
いっぱいぶら下がっていたミノムシはどうしたのでしょう。
山に行けばいるのでしょうか。
いなくなったのはミノガだけではなくて、
たまたまミノムシは目立つので気が付いただけなのかもしれません。
でも、やはりミノガに何か起きたのではと心配です。

と、ここまで書いて、ネットで調べてみたら、
ヤドリバエの寄生で絶滅しそうになっているという記事がありました。
ヤドリバエがどのように日本に入ってきたかはよくわかってないようですが、
ミノムシの駆除のために中国で使われたというようなことが書かれています。
(滋賀県立琵琶湖博物館の「フィールドレポーターだより」に
琵琶湖近辺の4種のミノムシについて調査した結果が報告されています)

ミノムシがいなくなったら悲しいです。


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指輪物語

2008-10-14 | Weblog
「指輪物語」は「金属の物語」としての一面があるのでは、
と気づきました。

昔「鉄」をとるためには大量の木炭が必要でした。
森や林を次々切り倒したために、洪水が町や村を襲い
農地も荒れ果てるというようなことが各地で起きたそうです。
そうして作られた鉄は農具にもなりましたが、
「大砲」や「剣」や「銃」となって再び人々を襲ったのでした。

映画「指輪物語」では、まるで西洋の中世の高炉のようなところで
バケモノを製造して軍隊を作っていました。
エルフは「つらぬき丸」を持ち、
「ミスリル」で作った「鎖帷子」を持っています。
アラゴルンやボロニアが持つ剣も特別のものでした。
さまざまな性質が違う金属がいろいろな役割を担って登場します。

そして物語の中心は、マグマの中でしか溶けないという「指輪」。
見事なファンタジーだな、と改めて思います。
ガンダルフが持つのは「トネリコの杖」でした。

映画では騎士の戦いに焦点を当てすぎるのと、
サム、メリー、ピピンの描き方に不満が残ります。
それと最後が尻切れとんぼで残念でしたが。

なんといってもこの小説「指輪物語」が素晴らしいのは
教訓めいた寓話になって無くて、
どきどきわくわくの物語の醍醐味をたっぷり味あわせてくれるところです。
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絵になる猫

2008-10-14 | Weblog
ねこさん!
そこから何がみえるの?
どんなふうに見えるの?





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撮りたくなる夕焼け

2008-10-12 | Weblog
夕焼けを見ると写真を撮りたくなります。
空が広く見えるところまで行って撮りたいと
自転車で急ぐのですが、
夕焼けはどんどん変化して、
あっという間に日が落ちてしまいます。
秋の日はつるべ落とし、を実感する季節になりました。




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月の出

2008-10-12 | Weblog

東山から月が昇るところ。

ところで月のことがよく分からない。
日が落ちる寸前の月は満月で、
太陽が沈むと、地球の影が月にかかり、
月が西に沈む時、その影は月の出の時と反対になるらしい。
そういえば、昼間の月で三日月というのは見たことが無い。
昼間の月も見える時と見えない時とあるけど、
わからない~?

中学の時教わったんだと思うけど…




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匂いの記憶

2008-10-08 | Weblog
自転車で走っていると
あっちから、こっちから、
キンモクセイの甘い香りが漂ってくる。
「ここにも、ここにもキンモクセイ」

最近よく通る道の途中に
こんな大きな2本のキンモクセイがあることに初めて気がついた。
2階の屋根より背が高い。



香りは文字や画像や音楽のようにコンピューターで記録できない。
でも、一人ひとりの脳の中には、膨大な香りの貯蔵庫が有るんだろうな。

ある日窓を開けると、
季節が変わったことを風が教えてくれる。
暖かさや冷たさと共に、空気の匂い。
香りは嗅ぐことによって、
記憶を呼び覚ますようだ。

花や木や食べ物の匂いだけででなく、

古い家や古い着物、
アイロンやミシンやピアノやカメラ、
ビルやエレベーター、
電車や自動車、
古い本、新しい本、
アスファルト、土、港、路地裏…
匂いの記憶はかぎりない…
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