
蛸薬師通りも整備されて、
裏通りもすっきり、安心と言えばそうなのですが、
少々物足りない雰囲気になりました。
ところで、蛸薬師って面白い名前だなと昔から思っていましたが、
今日はじめてその由来を知りました。
写真のお寺は永福堂と言うのが本当の名だそうですが、
平安時代…
『ある時その寺の一人のお坊さんの母親が病気になったので、
母親の大好きな蛸を食べさせたらよくなるかもしれないというので、
そのお坊さんは、こっそり蛸を買いに行ったそうです。
ところが、坊主が戒律を破り、生ものを買ったと人に知れ、
蛸の入った箱を開けろと迫られます。
お坊さんは一心に「この難をお助け下さい」と薬師様に祈ったそうです。
箱が開けられるとその中に妙法蓮華経の8巻の巻物が入っていて
お坊さんは救われ、母親の病気もよくなった』
という由来があるそうです。
その後蛸薬師と呼ばれるようになり、
病気平癒を祈願する人々で賑わい
蛸薬師通りと呼ばれるようになったということです。
境内には木彫りの蛸があり、
ぴかぴか光っていました。
このエピソードは、都合のいい話ではありますが、
戒律より人の心や許しの気持ちを大事にしようと言っているのでしょうか。
これを「蛸」の話にしているところに中世の庶民の生活感もうかがえておもしろいです。
